猫娘と職場体験編
NO.040 合同職場体験・三日目 vsステイン
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、覚悟にステインは久しく喜びの感情を抱いた。
―――そうだ。ヒーローとは戦う相手に恐れはあれ、力量の差はあれ、それでも勇気を持ってヴィランには背を向けずに守ろうとするものを定めて立ち向かっていくものだ。
この小娘はヒーローたる資格を持ちうる人間だ、と。
「小娘……ハァ……おまえ、良いな」
「ッ!」
出久は実力の差は当然あってしかるものだと判断して最初から全力で挑む決意をして、
「一気に詰める!」
瞬間的な脚力強化による高速移動をして出久は何度も路地裏の壁を跳ねていき、ステインは 何度も視線を彷徨わせて出久の動きを捕えようとする。
「そこか!」
ステインが振り向いた先は己の目の前だった。
刀を振り抜いたステインだったが、もうすでに出久の姿は掻き消えていた。
「ぬぅ!?」
気づけばステインの足下を潜り抜けたのか背後へと移動をしていたのだ。
そして、
「はぁっ!!」
一気に手のひらをかざして炎を噴き出してステインを覆い尽くす。
さすがに多数の個性を持つ出久にステインも一瞬思考を停止するが、すぐにバックステップして避けることに成功する。
隠しナイフを出久に放とうとするが、
「にゃあああああああ!!」
それをさせまいと出久はハウリング・インパクトを放ち、すべてを叩き落とす。同時にステインも衝撃波で壁まで叩きつけられる。
「ぐぅ……ハァ……なんだ、お前……? その複数の個性は?」
「そう簡単に教えると思いますか?」
「だろうな……ならば手数で圧倒するとしよう」
ステインは鍛えた自慢の移動速度で出久に接近戦を試みる。
刀は仕舞い、両手にナイフを構えている。
ならばと出久も爪牙を展開して、接近戦を行う。
それが、ステインの狙いだと気づかずに……。
「シッ!」
「はっ!」
それからナイフと爪がぶつかり合う。
ナイフによる刺突で、ぶつかるたびに鋼鉄化しているにもかかわらず衝撃が伝わってくる。
やはり油断できない!そう出久は判断して一気にステインへの間合いを詰めていく。
「間合いを詰めるのも戦略的にはいい……だが」
出久が気づいた時には手のひらが少しだけ切られていた。
いつの間に!?と言う思考をする出久だが、なぜかまだ動けることに違和感を覚えた。
斬られる事で発動する個性ではない……?
それでステインに視線を送ってみると、なんとステインはナイフについた出久の血を舐めていたのだ。
「ッッッ!?」
瞬間、出久はその場で足をついて動けなくなってしまった。
「(そうか! ステインの個性は血の摂取による相手の束縛!!)……くっ!」
やられる!と思った出久だったが、ステインは動けなくなった出久を素通りした。
目指すは飯田
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