16部分:ファフナーの炎その十五
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ルターも頷くものがあった。ジークムントは元々エースパイロットとして名を馳せた男である。ローエングリンの下にいた時も独立心が強くしばしば上司であるローエングリンとも衝突を繰り返していたと言われている。その彼が指揮する艦隊ならば空母が多いのが道理だと容易に想像がついたのである。
「どうされますか」
「衝突する可能性はない。気にしなくていい」
ヴァルターはそれを不問とした。
「今はそれよりも帝国軍を叩くことを考える。いいな」
「はっ」
「了解しました」
部下達がそれに頷き敬礼をする。
「それでは準備が整い次第出撃しましょう」
「うむ。この際補給路には気をつけるようにな」
「補給路を」
「そして反乱にだ。今民衆の不満はそれ程ないがな。それでもだ」
ヴァルターはここで執政官の顔に戻った。
「帝国軍は今劣勢にある。ならば工作やゲリラ戦に切り替えてこちらの戦力を削っていくことが考えられる」
「正攻法ではなく、ですか」
「そうだ。勝つ為には手段を選んではいられないだろう。ならばそうした戦術も考えられる」
「わかりました。それでは」
「フランケンに残していた艦隊を補給路の防衛に向けよ」
「はい」
「そして各星系では治安維持を強化せよ。よいな」
「わかりました。それでは」
「まずは後顧の憂いをなくしてから先に進みたい」
彼は静かに言った。
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