ペルソナ3
2038話
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自分達の命を縮める原因を作ったエルゴ研だったが、タカヤにしてみれば、そこまで恨む相手ではないのだろう。
破滅願望を抱いているタカヤにしてみれば、自分の命を縮めた程度はどうでもいいという認識なのだろうが。
「死ねや」
そうしてタカヤに続くように、ジンも幾月に向けて何かを……いや、手榴弾を投げる。
幾月の足下にぶつかった瞬間に爆発が起き、幾月の足は見るも無惨な姿になってしまう。
元々気弱な山岸はおろか、気丈な性格をしているゆかりまでもがその光景を見て吐きそうになっているのを見れば、それが普通の女――ペルソナを召喚している時点で普通とは言えないが――にとっては耐えられない光景なのは間違いない。
「な……ぜ……わた……闇の……」
「残念ですが、貴方はそのようなものにはなれません。何も出来ない愚者として、破滅を受け入れなさい」
タン、と。
まだ何かを言い掛けていた幾月の頭部に、タカヤが銃弾を叩き込む。
それが、幾月の……10年近くに渡って桐条グループを騙し続け、闇の皇子だったか? そんな自分の目的の為に動いてきた幾月の最後だった。
正直なところ、幾月を殺さないで捕らえるというのであれば、それこそ手段は幾らでもあった。
ジンの手榴弾にしろ、頭部を撃たれた件にしろ。
だが、幾月の場合は生かしておけば色々と面倒な事になるのは間違いなく、である以上、俺としては代わりに幾月を仕留めてくれるのであれば、邪魔をする必要はなかった。
「さて、それでは……」
幾月を殺したタカヤは、その事に関しては何も感情を浮かべずに、俺達の方に視線を向けてくる。
そんなタカヤの視線に、殆どの者がいつ戦闘になってもいいように構える。
銃という武器を持っている以上、今のタカヤは非常に危険だと判断したのだろう。
俺もまた、幾月が殺されたのはともかく、それ以外の面々が死ぬというのは許容出来ない以上、戦闘が始まったらすぐに対応出来るようにタカヤに視線を向ける。
だが、次の瞬間ジンが自分の足下に手榴弾と思しき物を放り投げる。
これが、もし先程幾月にやったように、こっちの足下に手榴弾を投げてきたのであれば、反応するのも難しくはなかっただろう。
しかし、自分の足下に手榴弾を投げるといった真似をするというのは、こちらにとっても完全に予想外だった。
次の瞬間、周囲に煙幕が現れる。
なるほど、手榴弾ではなく煙幕弾だった訳か。
この状況でそのような真似をした以上、現在向こうがこちらと戦闘をするというつもりはないのだろう。
事実、2人の気配は遠ざかっていくのだから。
「追撃するか?」
「げほっ、げほっ、いや、構わない。そのまま逃がしてくれ」
煙幕に咳き込みながら、武治が指示を出す。
出来れば、
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