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提督はBarにいる。
春はパスタの旬の季節です。その2
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ソース作りを始めたら、同時進行でパスタを茹でる。袋の表示より1分短く茹でるのも忘れずに。茹で上がったらザルに空けて水気を切っておく。

 ソースを味見して塩で味を整えたら、パスタを加えてよく煮絡ませて器に盛れば完成だ。お次は菜の花をバジルの代わりに見立てた、春の香り漂うジェノベーゼだ。





《菜の花ジェノベーゼの作り方》

 鍋にパスタを茹でる分量の湯を沸かし、塩を入れたらパスタの前に菜の花を茹でる。茹で過ぎると香りも味も飛んでしまうので茹で過ぎ注意。茎が柔らかくなった位でお湯からあげ、水にさらしてしばらく冷ましておく。続いてスパゲッティを袋の表示より1分短く茹でる。

 パスタを茹でている間にソースを作る。菜の花が冷めたら水気を絞ってざく切りにして、松の実、粉チーズ、アンチョビ、すりおろしたニンニク、EVオリーブオイルと一緒にフードプロセッサーに入て撹拌し、よく混ざったら味見をして塩で味を整えておく。

 出来上がったソースをボウルに移し、茹で上がったパスタの水気をよく切ってから和えれば完成だ。





「上がったぞ。『菜の花ジェノベーゼ』に『ばっけ味噌クリームパスタ』だ」

「ば、ばっけ味噌って何ですの?」

 熊野が眉根を寄せている。聞き慣れない食べ物に不安が募っているんだろう。

「あぁ悪い、ばっけってのは蕗の薹の事さ。蕗の薹を味噌と炒ったのがばっけ味噌。そいつをクリームパスタに仕立ててみた」

 俺は出来る限り解りやすく説明したつもりだが、熊野の表情は晴れない。多分だが、味噌とクリームという一見合わなそうな組み合わせに忌避感があるんだろうな。

「熊野がそれ食べないんだったら、鈴谷がも〜らいっと♪」

 そう言って鈴谷がクリームパスタの皿を自分の方に引き寄せる。

「ま、まぁ後で交換するんですし……構いませんわ」

 少しホッとした様な顔で、熊野も菜の花ジェノベーゼの皿を手に取る。そんなに嫌だったか、味噌クリーム。


「んぉ?……これ美味っ!味噌とクリームが予想外に合うし、蕗の薹の苦味がアクセントになってて大人な味って感じ!」

ハフハフとがっつく鈴谷。よっぽど腹減ってたんだな、お前。

「最近頑張ってますものね。『彼氏より先にお金貯めて逆プロポーズキメてやるんだ〜』って」

「ちょ、熊野ぉ!それ内緒!しーっ!」

「なんだなんだ、ついに鈴谷も身を固める決心したのか」

「う、うん……ちょっち恥ずかしいけどね」

 そう言って頭をポリポリ掻く鈴谷の左手の薬指には、キラリとシルバーのリングが光る。俺との絆を結んだケッコンカッコカリの指輪だ。
 
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