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楽園の御業を使う者
CAST28
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あと、笑いだした。

「ふふ…家出…うふふ…そう、確かに今の私は『家出中』っていうことになるわね」

「でしょ?大丈夫!帰ったら一緒に怒られてあげますから」

ニコッと笑う白夜の顔はとても幼い。

小動物のような愛らしさがあった。

真夜が手をのばして、その赤髪を撫でる。

「うゆ…」

白夜は撫でられると子犬のような反応をみせた。

「その時は、お願いね、白夜君」

「はい!」

真夜は、そのまま白夜の髪を撫でていた。

「綺麗な赤毛ね…しっているかしら?
赤毛はいい魔法使いになれるらしいわ」

「西洋圏の言い伝えですね。たしか妖精達は赤毛や金髪を好むんですよね」

「その通りよ」

「それに日本でも髪には霊気が宿りますからね…」

「霊気…難しい言葉をしっているわね」

霊気とは日本古来からの生命エネルギーの呼び方であり、2093年現在では古式魔法の用語として扱われる。

「知り合いにそう言うのに詳しい『女』がいるんですよ」

「どなた?」

「吉田本家の『長女』です。
父同士が仲がいいんですよ」

「吉田家の神童…」

「そう、そいつです」

「貴方、色々な人脈があるのね…」

「家と、あと仕事ですね。先日のパーティーで北方潮氏と会いましたし」

白夜は暗に件のドレスの事を言ったが流された。

「北山家には一人娘がいたはずだけど」

「雫ですか? あ、そうだ…」

「?」

「雫も九校戦に行くと言っていたのでもしかするとあっちで会うかもしれません」

「ガールフレンド?」

「まさか」

白夜の中には、原作のカップリングの知識が強く残っている。

故に摩利や水波の好意にも気づけない。

そして白夜には雫とほのかは達也に好意を抱くという固定観念があった。

「雫は、たぶん、達也みたいなのが好みですよ」

「達也さんも大変ね」

「あんだけブラコンの妹に好かれちゃ、『普通は』結婚できそうにないよなぁ…」

だが、白夜は最終的に二人がくっつくと確信していた。

それこそがこの物語のエンディングだと信じている。

「『普通』でなければできるのかしら?」

「達也と深雪さんが結婚すればいい。
二人にとって、きっとそれが一番幸せでしょう」

「あらあら、過激ね。近親相姦になってしまうわ」

「やりようはいくらでも。一番手っ取り早いのは、達也を貴方の子供だったということにする方法」

それは白夜が知る、原作における方法。

「現行法では兄弟姉妹では出来なくても従兄弟同士なら結婚できますから」

第三次世界大戦中は婚姻可能年齢が男女共に15才まで引き下げられた事もあったが、2093年現
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