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155部分:ラグナロクの光輝その九
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ラグナロクの光輝その九

「九人で帝国と戦っているというのは」
「やってるのはもっぱらゲリラ戦みてえだがな。本当にそれだけで戦ってるらしいぜ」
「命知らずな者達もいるものだ。我々が言えた義理ではないがな」
 これは彼等も同じである。彼等もまた強大な帝国と対峙しているのだから。そんな彼等にしてみればワルキューレも自分達も同じ存在に思えるのだ。
「若しかしたらその連中とも会えるかもな」
「面白いな」
 ジークフリートはそれを聞き不敵な笑みを浮かべた。
「一体どの様な女達か。会ってみたい」
「美人だったら。尚更よしだな」
 ジークムントもまた。彼等は不敵に笑い合った。
 二人は前線に着きそこで帝国に備えた。まずは守りは固まった。
 二人が前線に向かっている間ローエングリンはライプチヒを中心に防衛ラインを設け、同時に補給体制を整えようとしていた。
「まずはこちらが満足に動けるようにならないとな」
 彼は言った。動けるようになる為に戦略を練っていたのだ。
「我々が集結前に掌握していた各星系だが」
 彼はライプチヒに置かれた総司令部の作戦会議室において主だった指揮官達を前にして語っていた。
「まずは統治形態はそのままだ」
「わかりました」
「税率等もな。それはいじらなくていい。ただしだ」
 彼は言った。
「流通は整備する。このライプチヒを中心とした中央集権体制にな」
「中央集権ですか」
「そうだ」
 彼は指揮官達に対して言った。
「一時的なものにしろな。全てをここに集結させる」
「ですがそれですと万が一ライプチヒが陥落した場合は」
「その時のことも考えてある」
 指揮官の一人の言葉にすぐにこう返した。
「ライプチヒの他にはベルリンだ」
「ベルリン」
「そう、ベルリンだ」
 ライプチヒから少し離れた場所にある。交通の最重要地であり、ライプチヒへの道もローエングリン達のかっての勢力圏もそこを通らなくては通れないのである。
「ライプチヒが陥落しないのは至上命題だが」
「はい」
 これはもう言うまでもないことである。だからこそローエングリンも防衛態勢を整備しているのである。
「若しもの時は考えておかなければな」
 それがローエングリンの考えであった。慎重な性格の彼らしいと言えばらしかった。彼は最悪のケースを基に考えていたのであった。
「ライプチヒ周辺の星系にも防衛ラインを敷く」
「そこにも」
「幾重にもな。そして前線までの流通も強化する」
「つまり東の物資をベルリン、ライプチヒを経由して西の前線に送るというわけですね」
「そういうことになるな」
 簡単に言えばその通りである。ローエングリンはその言葉に頷いた。
「東から西にだ」
 彼は言った。
「いや、北と南のものもだな」
「左様
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