第30話
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しはリィン教官達――――シュバルツァー家唯一の使用人ですから、このくらいはできて当然かと。…………まあ、エリゼ様やルシア様の教育の賜物でもありますが。」
ユウナの反論に対して僅かに得意げに答えたアルティナはティータやユウナ同様ボールの中の食材を手際よく混ぜ続けていた。
「むむ、これは私も負けてられませんね……リィン教官に美味しいものを召し上がっていただくためにも♪」
自分達に対する対抗心を燃やしたミュゼの言葉を聞いたユウナ達は脱力した。
「ア、アンタねぇ……」
「あはは、ミュゼちゃんはリィン教官のファンなんだっけ?」
気を取り直したユウナはジト目でミュゼを見つめ、ティータは苦笑しながらミュゼに訊ねた。
「ええ、それはもう。ユウナさんやアルティナさん、そしてゲルドさんが羨ましいくらいです。もっとも教官を慕っている方は数多くいる事に加えてエリゼさんや姫様を始めとした教官に見初められた女性達までいます……せめて今は頭の片隅に止めてもらえるだけで十分ですけど。」
「な、なるほど。」
「ハア……確かに有名人だし、そりゃあモテるんでしょうけど。」
「………まあ、実際教官には既にアルフィン様と言う伴侶がいる事に加えてエリゼ様を含めて8人もの婚約者がいらっしゃいますものね。」
「えっと……今のリィン教官の奥さんはアルフィンだけで、婚約者の方は8人いて、その8人の婚約者はエリゼにセレーネ教官、ベルフェゴールさんにリザイラさん、メサイア皇女とアイドスさん、それにみんながこの前の”特別演習”で助けてもらったステラさんっていう人だから……あら?一人足りないけど、残りの一人はみんなは会った事があるのかしら?」
ミュゼの答えにティータが納得している中ユウナは呆れた表情で溜息を吐いた後ジト目になり、ユウナの言葉にアルティナは同意し、ある事が気になったゲルドは首を傾げて疑問を口にした。
「言われてみれば何だかんだ言って、あたし達は8人いる教官の婚約者のほとんどの人達と会ったけど一人だけまだ会っていないわね……」
「ふふ、アルティナさんでしたらご存知なのではないでしょうか?」
「………ええ、残りの一人は”旧Z組”の人物です。」
ゲルドの疑問を聞いたユウナは目を丸くし、ミュゼは口元に笑みを浮かべてアルティナに訊ね、訊ねられたアルティナは静かな表情で答えた。
「あ………演習地で助けてくれた。」
「アルゼイド家のラウラ様に、遊撃士のフィーさんでしたか。他にもいらっしゃるみたいですし、うーん、残りの一人が誰なのか気になりますねぇ。」
アルティナの答えを聞いたティータは特別演習での出来事を思い出し、ミュゼはからかいの表情で呟いた。
「フウ………アルフィンさんもそう
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