ENDの正体
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剣を構えジリジリと足を動かし自分の得意な間合いに、敵に悟られないように動いていく剣士。対する神の子はそれに気付いていないのか、ただ一心に彼女の動きを見つめている。
(まるで隙がないな)
ただ立っているようにしか見えないのに、入り込む要素が見当たらない。このままでは自分の集中力が途切れてしまう。そう確信したカグラは果敢に突進を試みる。
「甘い」
攻撃範囲に入り込んできた彼女を見逃すはずがない。ティオスは腕を振ると、強風が吹き荒れカグラの足が止まる。
「くっ・・・なんて風だ・・・」
あまりの突風にその場で持ちこたえるのがやっと。彼女は腕で目にゴミが入らないようにとしていたが、それが仇となってしまった。
「氷神・永久凍土」
腹部に突き刺さる重たい一撃。それを受けたカグラは瞬く間に吹き飛ばされた。
「ガハッ・・・ゴホッ・・・」
咳き込むカグラだったが意識ははっきりとしている。それを見たティオスは感心しているように彼女を眺めている。
「俺の予想よりも防御力はあるようだ。見くびっていたな」
それでも負けることはありえないといった表情のティオスを見てカグラは唇を噛む。よほど悔しかったのか、そこからは赤いものが見えていた。
「殺す前に一つ聞いておきたいことがある」
「・・・なんだ?」
殺されるつもりはさらさらないが、そうも言っていられない状況を前に、言われたことに答えておくことにしたカグラ。人差し指を立てたティオスはすでに遠くにいる少女たちの方を指差した。
「なんであいつらを逃がした?どうせあの距離じゃ追い付かれるのに」
まだ逃げ切ったと言うにはほど遠い距離にいるラキとソフィア。ティオスは精神的にやられてしまったソフィアを除いても、少しでも戦力を補強して戦いに挑めばよかったのではないかと聞きたいようだ。
「何を簡単なことを・・・」
「??」
立ち上がったカグラは一度納刀すると、低い姿勢で構える。
「私は私の仲間を泣かせた奴を許せない。だからこそ・・・」
地面を蹴って接近するカグラ。懐に入り込んだ彼女は剣を抜き青年の首を狙う。
「あいつの笑顔を守るために勝たねばならないんだ!!」
これは彼女なりの思いやりだった。確かにソフィアたちが手を貸してくれれば勝機はあったのかもしれない。しかし、人を殺めるという行為は非常に残酷なものだ。それをたった今最愛の姉を失った少女の前で見せるのは酷というもの。
「優しい師匠だ。だが、それゆえに弱い」
カグラの渾身の一撃。それは彼の首に届く手前で受け止められてしまった。それも、わずか指一本で。
「甘さを捨てきれない剣士・・・勝負どころで勝てないのはそれが原因だろうな」
「っ・・・」
決めた
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