中途半端な力を身につけた者はかえって早〇にしますよ それを教えてあげましょうか?
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が、あんたが俺にロスヴァイセさんを薦めたのは勇者選出だけが理由じゃないんだよな?」
「ふむ。して、その心は?」
ウィスの応えに愉し気に相槌を打つオーディン。
「先ず一つ目の理由としてあんたの必死さだ。わざわざ極東に来てまで俺をなりふり構わずに勧誘するのは何かしらの特別な訳があると見た。」
神代は終わりを迎え、西暦を経て人類は地上で最も栄えた種となった。
今や地上は人類が支配する時代だ。
当然、勇者となり得る存在も減少していることだろう。
此処でウィスを勧誘することで、自身の陣営の戦力の増強を図るのと同時に、来たるべく神々の黄昏であるラグナロクへの対抗策としてウィスを欲している可能性も否めない。
だがそれだけではないような気がするのも事実。
故にウィスは自身の推測を確信へと至らせるためにオーディンへと言葉を投げ掛けているのだ。
「ふむふむ。」
「そして、二つ目の理由は勇者としての勧誘だけではなく、彼女、ロスヴァイセさん個人を俺に強く薦めたことだ。」
「そう、彼女の傍に俺を置いて置くことをあんたが強く望んでいたのは……」
「……彼女、何かしらの面倒事に巻き込まれているんじゃないのか?」
「ほっほっほ!大正解じゃよ!」
やはりか。
オーディンは実に面白げに、此方を見ている。
その愉し気な視線、止めろ。
「…。」
マリーといい、彼女といい薄幸の元に生まれた女性とは何とも死と隣り合わせの人生に晒されているのだろうか。
ウィスは切実にそう思わざるを得なかった。
「お主の言う通りロスヴァイセはある者達から狙われておるのじゃ。」
ある者達とは一体誰か。
まさかそいつらの処理を此方に求めているのか。
「実はの…。……」
北欧の主神から語られる衝撃の真実。
彼女、ロスヴァイセに迫る脅威の存在を。
「…というわけじゃ。」
長々と語られたオーディンとの話もようやく終わりを迎えた。
「…つまり彼女が平穏な人生を謳歌できるように俺に彼女を護衛して欲しいというわけか?」
ウィスは淡々と相槌を打つ。
周囲を見渡せばカテレアは既にアザゼルに敗北していた。
脳天を一突きである。
あっけない。
もっとも、ウィスには関係ないことであったが。
「ふむ、まあそうなるのう。勿論、強制はせん。今回、この会談に足を運んだのも先ずはお主と接触することが目的であったのじゃからのう。」
そう、主神とはいえ、常に彼女を守ることができるわけではない。
故に、必要であった。
自身と同様、高望みをすれば己以上の力
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