中途半端な力を身につけた者はかえって早〇にしますよ それを教えてあげましょうか?
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周囲は結界に覆われ、禍の団と三代勢力との戦闘音が鳴り響く。
光力と魔力、魔術のぶつかり合いである。
だが依然としてこの場の時の流れは止められ、混沌と化した状況を脱し切れてはいない。
そんな状況下でも相変わらずロスヴァイセはふさぎ込んでしまっていた。
「ロスヴァイセさん、テロですよ。しっかりしてください。」
彼女の気持ちは察するが今は非常事態だ。
悠長なことなど言ってはいられない。
「…うぅぅ、ぐすっ、いやぁぁ…だって…、だってぇぇ…、うえぇぇん…。」
今の彼女は幼児退行すら起こしてしまうほど追い詰められていた。
身に余る精神攻撃の影響で幼児化し、泣きじゃくっている。
「ロスヴァイセさん、起きてください。テロですよ。」
旧魔王派一派から大規模なテロの進行を許している今、一刻も早く対処する必要がある。
「ぐすっ…!しりません…!」
彼女は止めどなく溢れる涙をウィスの上着へ擦り付け、世界から逃避する。
ウィスのダークカラーのローブへ彼女は自身の涙を容赦なく擦り付けていた。
ちょっと待って、それ自分の上着
「いや、あのですね…。私達、今、テロを受けてるんですよ?」
「しったこっちゃぁ…ありませんよ、そんなこと…!こんなせかい、ほろびてしまえばいいんです…!」
どうやら彼女は幼児化の余り、思考回路までも浅慮で単純化してしまっているようだ。
世界の崩壊には全面同意であるが、今はそんなことを言っている場合ではない。
「はぁ…、分かりました、ロスヴァイセさん。」
こうなれば最後の手段。
此方が譲歩し、彼女を奮い立たせようではありませんか。
そう、ウィスは遂に折れたのだ。
「ぐすっ…、なんですか…!」
涙ぐみ、ロスヴァイセは頭上のウィスを見上げる。
「ロスヴァイセさんが泣いてしまった原因は私にもありますからね。」
大部分の原因はオーディンのジジイのせいではあるが。
「この会議の後、私は貴方の勇者にでも何にでもなりましょう。ですから元気を出してください、ロスヴァイセさん。」
「うぅぅ…、それ、ほんとう?」
涙を流し、その言葉の真偽を尋ねてくるロスヴァイセ。
「はい、男に二言はありません。」
だから泣き止んでください、お願いします。
「では…、わたしのいうことを…、なんでも、きいてぐれたら…なきやむかもしれないです…!」
此方が譲歩したらぐいぐいくるな、この子。
少し話が飛躍し過ぎではいないだろうか。
思わずウィスは嘆息し、苦笑する。
「ええ、分かりました。何でもロスヴァイセさんの言うことを聞きましょう。」
こ
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