第45話 王都での再会
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side:リィン
ツァイスからロレントに戻ってきた俺とフィーはエステルさんたちの事をアイナさんに話していた。何故俺たちが話しているかというと導力通信器を使うと黒装束たちに盗聴される恐れがあるかも知れないので通信器は使わないほうがいい、アイナさんには俺たちが事情を話しておいてくれとキリカさんに言われたのでこうしてツァイスで起きた事を話している訳だ。
「……そう、そんなことがあったのね」
「はい、エステルさんたちが無事だといいのですが……」
「まあ今はあの子たちを信じるしかないわね。でも王国軍が所要する軍事施設でも最大規模を誇ると言われているレイストン要塞に例の黒装束たちの飛行艇が映っていたとなるとここ最近の王国軍内の不穏な動きと関係があるのかも知れないわね」
「……それって王立親衛隊がテロリスト容疑で指名手配を受けた事?」
フィーの発言にアイナさんが頷いた。ここ最近王国軍で一部の将校が逮捕されたり逆に昇格したりと大きな動きを見せていた。中でもあの女王陛下直属の親衛隊が今テロリストとして指名手配を受けているのが一番大きな変化だろう。リベール通信でも大きく取り上げておりリベール市民に大きな動揺が走ったくらいだ。
「ツァイスを襲撃したときの写真を見た時は驚いたわ、あの親衛隊が……だなんて思ったくらいよ」
「ええ、恐らくドロシーさんが取った写真を使ったんでしょう。でも俺たちは黒装束たちが犯行をした場面を見たから疑ってますが市民は親衛隊を悪とみなしている人も増えてきているかも知れませんね」
「かわりに情報部のリシャール大佐の人気は鰻登りみたいだけどね」
親衛隊とは違いこれまで多くの功績を上げたリシャール大佐は今や王国の新たなる守護者と言われるほどの人気ぶりだ。この短期間でここまでの情報操作をするとは流石は情報部と名乗るだけの事はある。
「とにかくあなたたちは今日はもう休みなさい。色々あって疲れたでしょう?」
「……そうですね、今日はもう休ませてもらいます」
「ん、お休み。アイナ」
俺とフィーはアイナさんの気遣いを有り難く受けて今日はもう休むことにした。部屋に戻りベットに座り込むと膝にフィーが座り込んできた。
「…………」
普段なら猫みたいにすり寄ってきたり甘えてくるフィーだが今は首を下に向けて俯いていた。
「……心配か、ティータの事が?」
「……うん」
「ラウラやティオ、クローゼさんと同じ大切な友達だからな、そりゃ心配だよな」
本当だったらフィーもティータの力になりたかったはずだ。でも遊撃士でもない俺たちがこれ以上首を突っ込むことはできない。
「エステルさんやヨシュアさん、それにアガットさんもいる、だから信じよう……」
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