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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第45話 王都での再会
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 ミュラーさんはそう言うと彼の横で口笛を吹いて目をそらしていたオリビエさんをキッと睨んだ。


「やはりお前を自由にさせておくべきじゃなかったな、お前にはこれからやってもらう事がたくさんある。もう自由にはさせんからな」
「え〜でも僕はこれからこの子たちと食事をしに行くんだけど……」
「却下だ!」
「リートくーん、フィルくーん!たーすーけーてー!!」


 ミュラーさんはもう一度俺たちに頭を下げるとオリビエさんを引きずって去っていった。


「えぇ……なにこの展開。もう訳がわかんないんだけど……」
「ねえリィン、さっきのミュラーって人……」
「ん?ああ、恐らくあのミュラー・ヴァンダールに違いないだろう」


 ミュラー・ヴァンダール……エレボニア帝国軍第七機甲師団に所属する軍人でヴァンダール流の使い手で帝国で武に携わっている人間なら一度は聞いた事のある名だ。俺は直接会ったことは無かったから実際に会ってみるとその実力がヒシヒシと感じ取れた。


「しかしオリビエさんがあのミュラー・ヴァンダールと知り合いだったとは……」


 ヴァンダール家は帝国でも有名な一族で代々皇室の護衛も任せられていることから『アルノール家の守護者』と呼ばれている。そんなヴァンダール家の軍人と貴族とはいえ一般人のオリビエさんにどんな繋がりがあるのだろうか?
 もしかするとレンハイム家は隠れた名家なのかもしれないな。


「リィン、どうしたの?」
「いや、何でもない。それよりもフィー、お腹空いただろう?オリビエさんはいなくなったから二人でご飯食べに行こうか」
「ん、賛成」


 にっこりと微笑むフィーにほっこりしながら俺たちは西街区にあるバラルに向かおうとした。


「そなたたち、少しいいだろうか?」


 背後から声をかけられたので俺とフィーが振り返るとそこには一人の少女が立っていた。青い髪をポニーテールにして背には大剣が……ってこの子はまさか!


「ラ、ラウラなのか?」
「まさかと思い声をかけたが、やはりそなた達はリィンとフィーだったか。久しいな」
「本当だな、最後に会ったのは半年以上も前か。こうして会えて嬉しいよ」
「私もだ」


 ニコッと微笑むラウラに俺は思わず笑みを浮かべて握手を交わした。するとフィーがラウラの胸に勢いよく飛び込んだ。


「ラウラ、久しぶりだね」
「そなたも久しいな、フィー。また腕を上げたようだな」
「ん、ラウラも胸おっきくなってるね。前よりも柔らかい」
「む、胸の話ではない!」


 た、確かに大きくなってるな……じゃなくて。


「どうしてラウラがリベール王国にいるんだ?」
「私も父上から中伝を授かることになってな、更なる修行とし
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