第45話 王都での再会
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ビエさんだとそう思えないんだよな……まあここまでしてもらったなら少しくらいはこの人の企みに乗ってあげるとするか。
その後俺たちはホテル・ローエンバウムに行きチェックインをする、そして案内された部屋に貴重品や武器以外の荷物を置いた俺たちは昼食をとる事にした。
「グランセルの西街区に美味しいコーヒーが飲めるバラルというお店があるんだ、昼はそこでとらないかい?」
「いいですね、俺もコーヒーは好きですし。フィルもいいか?」
「ん、問題なし」
「それじゃあ行こ……」
「はぁ、ここにいたか」
「……おや?」
西街区に向かおうとしていた俺たちの前に男の人が立っていた。厳格な雰囲気に腰に携えた剣を見ると只者では無い様だ。実際、普通に立っているように見えていつでも剣を抜けるように気を張っている。
「おお……僕は夢を見ているのか?親愛なる友人が目の前にいるじゃないか!」
「……相変わらずのお調子者だな」
「ミュラー!親愛なる友よ!多忙な君がわざわざ帝都から訪ねて来てくれるとは、一体どういう風の吹き回しだい?」
「何をぬけぬけと……貴様が連絡の一つも寄こさずにほっつき歩いているからだろうが。余計な手間を採らせるんじゃない」
「フッ、照れることは無い。口ではそう言いながらも僕の事が心配でしょうがなくて飛んできてしまったのだろう?恋は盲目とはよく言ったものだ」
「……」
「さあ、遠慮することはない。僕の胸に飛び込んできたまえ!」
「もういい、それ以上喋るな」
「そんなつれないこと……」
「しゃ・べ・る・な!!!」
「……はい」
……えっと俺たちは漫才でも見せられていたのか?隣にいるフィーもポカーンとした様子で困惑しているし俺も何と言っていいか分からない。
「お初にお目にかかる、自分の名はミュラー・ヴァンダール。今日からエレボニア大使館駐在武官としてリーベルへ赴任した。そこのお調子者が君たちに多大な迷惑をかけたことを心より謝罪する」
ミュラーさんはそう言うと俺たちに深々と頭を下げてきたので俺とフィーは目を丸くして驚いてしまった。いやだってオリビエさんの知り合いとは思えないほど真面目だから面をくらってしまったんだ。
「い、いえそんな頭を下げるほどでもないですし気にしないでくださいよ」
「リート、甘やかしちゃ駄目だよ。オリビエのせいで牢屋に入れられたこともあったんでしょ?」
「本当にすまない!このバカが迷惑をかけた!詫びのしようもない!!」
フィーの話を聞いたミュラーさんはとうとう土下座しかねないくらい頭を下げてきた。
「本当に気にしていませんから頭を上げてください!少なくともあなたが頭を下げることじゃありませんから」
「……本当にすまない」
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