第二十六幕:虹をつないで
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す」
もうひとつの素材は、比較的しっかりとした、表面材質がサラッと滑りやすい感触の光沢紙を選んで、印刷依頼を行った。
時崎「無理を言ってすみません。今後も、こんな依頼をするかも知れません」
店員「いえ、当店で出来る事があれば、いつでもご用命くださいませ」
時崎「ありがとうございます」
店員「以前にご依頼くださった現像も、今日の夕方か明日には出来上がっていると思います」
時崎「はい。ありがとうございます」
店員「お急ぎでしたら、ご自宅へ連絡いたしましょうか?」
時崎「では、こちらの番号へお願いできますか?」
店員「はい」
俺は、店員さんに携帯電話の番号を伝えた。
時崎「製本アルバムの件でも、よろしくお願いいたします」
店員「かしこまりました」
写真屋さんを後にする頃には結構な時間が経過していた。けど、凪咲さんと七夏ちゃんへのアルバム制作で、具体的な事や素材も印刷できたので手ごたえはあった。少し急いで風水へ戻る。
時崎「ただいま」
凪咲「おかえりなさい。柚樹君、どうかしたのかしら?」
時崎「え!?」
凪咲「少し、慌てているみたいですので」
時崎「もうすぐ午後になるので、少し急いでました。七夏ちゃんに午前中には帰ると話してましたので」
凪咲「そうなの。七夏は自分のお部屋に居ますので。お昼、もう少し待っててくださいね」
時崎「はい。ありがとうございます」
自分の部屋に戻る。机の上に置かれた「C11蒸気機関車の模型」が目に留まる。模型自体は精密に出来ているが、透明な保護ケースに入っているので気軽に持ち運びはできる。
時崎「午後にこれを七夏ちゃんへ渡すんだったな」
俺は「C11蒸気機関車の模型」を手にして、七夏ちゃんの部屋に尋ねた。
七夏「あ、柚樹さん!」
時崎「な、七夏ちゃん!」
丁度、七夏ちゃんも自分のお部屋から姿を見せた。
七夏「お帰りなさい」
時崎「た、ただいま」
七夏「くすっ☆ ほぼ同時でした☆」
時崎「そうだね。七夏ちゃん、これ!」
七夏「あ、模型さん!」
俺は、七夏ちゃんに模型を手渡した。七夏ちゃんはそれを両手で包み込むように受け取る。
時崎「な、七夏ちゃん!?」
七夏「くすっ☆」
模型と一緒に俺の手も優しく包んでくれる七夏ちゃん。一緒に「おむすび」を作った時の事を思い出し、俺の手は少し震えはじめて次の言葉が上手く出てこない。突然現われる虹のように、突然優しく手を差し伸べてくれる「ふたつの虹」。これがどのような意味を持っているのかを考えるが、焦る気持ちの方が勝っていて上手くまとまらない。
時崎「ど、どうしたの? 七夏ちゃん!?」
七夏「えっと、私、お昼のお手伝いがありますので」
時崎「え!? あ、ああ」
七夏ちゃ
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