第二十六幕:虹をつないで
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! 分かってますから!」
直弥「今日は、C11が買って帰れれば完璧だったのに!」
七夏「お父さんっ! もう〜」
七夏ちゃんまで凪咲さんと同じように苦笑している・・・微笑ましい。俺は思った。
時崎「あの・・・」
七夏「どしたの? 柚樹さん?」
時崎「C11って、これだったりしますか?」
直弥「!!!」
七夏「ひゃっ☆」
凪咲「まあ!」
俺は、蒸気機関車イベント会場で見かけた「C11蒸気機関車の鉄道模型」を取り出して見せた。
直弥「と、とと時崎君っ!!!」
時崎「はっ! はい!」
直弥「ど、どうして君がっ!」
時崎「えっと、イベント会場で見かけて、七夏ちゃんのお父さんが運転している蒸気機関車の模型だと、店員さんに勧められて・・・」
直弥「素晴らしい!」
七夏「柚樹さん! 凄いです☆」
凪咲「あなた! よかったわね!」
直弥「ああ! 風水でC11と再会出来ただけでも!」
時崎「よかったら、これ、お譲りします!」
直弥「ほっ! 本当かね?」
凪咲「あなたっ!」
俺の申し出に対して、凪咲さんがすぐにブレーキをかけてきた。
時崎「凪咲さん! いつもお世話になってますから!」
凪咲「本当にいいのかしら?」
時崎「はい!」
七夏「でも、柚樹さん。その模型さん、結構高価ですよね」
時崎「ま、まあそれなりに買うのに勇気は必要だったけど」
直弥「その『勇気ごと』僕が買うよ!」
時崎「え!?」
直弥「元々、買おうと思ってたからね」
時崎「いえ、さすがにお金を頂こうとは・・・」
直弥「いやいや、タダで貰おうとは思ってないよ」
しばらく、俺と直弥さんとの「譲り合い」が続く・・・この千日手にストップをかけたのは、凪咲さんだった。
凪咲「しょうがないわねー。では、私も買うわ!」
七夏「私も♪」
時崎「え!?」
直弥「え!?」
凪咲「記念なのよね!」
七夏「みんなで一緒に買うの♪」
七夏ちゃんの言葉で、ようやく理解出来た。
時崎「なるほど! そういう事なら、喜んで!」
直弥「ありがとう! 時崎君!」
こうして、風水に来た「C11」は皆んなで4等分して買う事になった。七夏ちゃんの家族の一員のようになれた感覚がこそばゆくも嬉しい。
七夏「柚樹さん! ありがとうです! お父さん、とっても喜んでます☆」
時崎「良かったよ。それに、この機関車は七夏ちゃんの家に居る方がいいと思う」
七夏「どおして?」
時崎「本当にほしいと思ってくれる人の所にある方が、模型も幸せだと思うから」
七夏「・・・・・」
時崎「それに、俺は線路を持ってないから、走らせる事が出来ないし」
七夏「くすっ☆」
直弥「時崎君! 早速、走らせてもいいのかな?」
時崎「はい! もちろん! ど
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