暁 〜小説投稿サイト〜
リング
15部分:ファフナーの炎その十四
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
威力です」
「ファフナーを倒せるだけはあるというのか」
「その通りです」
「ではすぐに装填にかかろう。技術者はいるか」
「勿論」
「よし。では作業開始だ」
 彼は指示を下した。
「ミョッルニルを旗艦ザックスに装填させる。すぐに協力を頼む」
「はい」
「それが終わり次第我が艦隊はグレイプ、そしてファフナーに向けて進撃をはじめる。それでいいのだな」
「貴方が思われるがままに。全ては運命が導いて下されます」
「運命」
「ええ。私の記憶によれば貴方はニーベルングと敵対する運命だったのです」
「私の意志に関わらずか」
「そうです。私も含めて」
「貴殿も含めてか。ニーベルングという男、つくづく敵の多い男のようだな」
「それもまた彼の運命です。私と貴方の他にも五人の者が彼の敵となります」
「五人の」
「そして貴方はそのうちの一人と出会うことになるでしょう」
「誰だ」
「ジークムント=フォン=ヴェルズングです」 
 彼は言った。
「ローエングリン=フォン=ブラバントの部下だった彼がか」
「はい。彼はもうすぐ自身の因果を断ち切ります。そして貴方の前に姿を現わすでしょう。その時貴方は自分が何をするべきか完全にわかります」
「ニーベルングを倒す」
「それだけではありません。貴方、いえ貴方達にはより大きな責務があるのです」
「今まで帝国で将来を嘱望されたことはあったがそれ以上のものか」
「はい。だからこそ貴方は今ここにいる」
「ここに」
「そして私と会っている。それが何よりの証拠なのです」
「そして帝国と戦う、か」
「また御会いすることになるでしょうし」
「だろうな。そんな気がする」
 それには頷けるものがあった。勘がそれを教えていた。
「では装填が終わったならば別れるが」
「暫しのお別れです」
「うん」
 こうしてミョッルニルの装填が終わるとヴァルターの艦隊とパルジファルの艦隊は別れた。彼等は互いに敬礼をし合って別れた。パルジファルと彼の艦隊はそのまま何処かへと姿を消していった。ヴァルターはそれを見送っていた。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ