巻ノ百三十四 寒い春その十四
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ですな、殿としては」
「やはり」
「無駄だというのに」
最早戦に流れが向かっていてというのだ。
「兄上はわかっておられぬのか」
「あれだけ聡明な方が」
「まことに残念ですな」
「最早覚悟を決めるしかないというのに」
「それでもとは」
「もう何もする必要はないが」
それでもというのだ。
「ああして迷っておられるとはな」
「まことに残念なことですな」
「実に」
「全くじゃ」
大野についてはこう言ってだ、治房は苦い顔で述べた。そうして彼はあくまで兄とは袂を分かつのだった。再び戦が起こることを確かだと思いそこに向かいながら。
巻ノ百三十四 完
2017・12・10
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