第三十話
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第三十話 二人も
今田先生も今日子先生もこの時飲んでいた、だが今二人はカーミラと違いワインを飲んではいなかった。
二人で今日子先生の家でウイスキーをロックで飲んでいた、その時に今田先生はこんなことを言った。
「今日はね」
「ええ、彼女もね」
「飲んでるわね」
「そうね、だから今夜はね」
「静かね」
飲みつつ言うのだった。
「本当に」
「そうよね、血を飲むんじゃなくて」
「お酒を飲んでればね」
「平和よ」
まさにというのだ。
「本当にね」
「そうよね」
「あの人は実は血を飲まなくても生きていけるのよ」
「そうなのよね」
今日子先生は今田先生のその言葉に頷いた、二人共カーミラのその身体のことはよくわかっているのだ。
「だからね」
「美少女の血を飲まなくても」
「その他の誰の血を飲まなくても」
「生きていけるのよ」
二人でこのことを話した。
「あの人は」
「それでもね」
今日子先生はまた言った、氷でよく冷えているウイスキーは実に美味かった。
それでだ、今日子先生はそのウイスキーをもう一杯飲もうとしたがその酒は今田先生が入れた。そうしてだった。
今田先生が入れたウイスキーを飲んでだ、今日子先生は言った。
「あの人は血自体が好きだから」
「その味がね」
「だから飲むのよね」
「それも美少女の血ばかり」
「今は殺しはしないけれど」
血を吸ったその相手をだ。
「それでもね」
「血を吸うこと自体がね」
「問題なのよね」
「それがね」
二人で話した、そして。
その中でだ、さらにウイスキーを飲んだ。そうしてだった。
二人共一本ずつ空けてだった、今田先生から話した。
「今日も飲んだし」
「そうね、じゃあね」
「もう休みましょう」
「ゆっくりと寝ましょう」
こう話してだった。
今田先生も今日子先生も今はゆっくりと休んだ、そうしてカーミラとのことは今は置いておいたのだった。
第三十話 完
2018・3・15
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