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147部分:ラグナロクの光輝その一
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ラグナロクの光輝その一

                    ラグナロクの光輝
 その男は記憶を失っていた。
 何時何処でどうやって生まれたのか、そして生きてきたのか誰にもわからなかった。彼自身にさえ。だがその名前だけはわかっていた。それだけしかわかってはいなかった。
 パルジファル=モンサルヴァート、それが彼の名であった。この名前だけが彼についてわかっている唯一のことであった。
 彼は気が付いたらある場所に一人立っていた。鎧の様な服に身を包み、長い黄色の髪を持っていた。彼を知る者は誰もおらず、彼も自分が何者なのかわからなかったのだ。
「私は・・・・・・誰だ!?」
 何もない荒野で呟いた。だが返事はない。荒れた場所に一人だけいた。本当に何もなかったのだ。
 だが何を為すべきかはわかっていた。帝国を倒す、それも今ある第四帝国ではない。来たるべきに現われる忌むべき帝国と戦う為に。彼は戦うことを決意したのであった。
 戦う為には力が必要だ。彼はそれを闇貿易により築き上げることにした。そして彼は忽ちのうちに小さな国家ならば幾つも運営出来る程の力を蓄えた。しかしその存在が公に出ることはなかった。何故か、それは第四帝国がまだ存在していたからである。
「私には見える」
 彼は時として自分自身に対して言い聞かせていた。
「これから何が起こるのか」
 記憶がないのにそれは見えた。何故かそれが見えた。
 第四帝国が崩壊し、戦乱が銀河を覆うのが。そしてそこから七人の選ばれた勇者が現われるのが。その中には彼もいた。六人の同志達と共に戦っていた。
 同時に彼の記憶も蘇ってきていた。しかしそれは人の記憶ではなかった。太古の時代から、宇宙が創造され、人類が生まれるまでの無限の記憶が。彼の脳裏に蘇ってきたのだ。
「何故だ」
 その記憶を見る度に彼は呟いた。
「何故こんなものを見るのだ」
 それすらもわからない。古の記憶が自分の中にあるのが。わかりはしなかった。その中にも自分と六人の同志達がいた。その中でも彼等は戦っていた。
 やがて第四帝国が崩壊した。突如として叛乱を起こしたクリングゾル=フォン=ニーベルングにより帝都バイロイトは破壊され、ノルン銀河は混乱の坩堝と化した。クリングゾルは自ら帝国を築き上げその指導者となった。
 これを以ってパルジファルは行動を開始した。それまで築き上げた独自のルートやネットワークを駆使して帝国に反抗しようとする者達を見つけ出し、その支援にあたった。こうして反帝国の潮流を築き上げ、同志達を見つけていったのである。
「同志は六人」
 彼は呟いた。そこは無限の闇の中であった。
「ヴァルター=フォン=シュトルツィング」
 まずは一人。
「タンホイザー=フォン=オフターディンゲン」
 次に一人。
「ロー
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