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SAO -Across the another world-
四話 不可視の世界
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だ。そのためになら、何事にも躊躇わない。たとえ、人を殺す事になろうとも。

自分は、戦う為に作られた存在であるから。

■■■■■

東京都 新宿区市ヶ谷 [10:15]

牧田玲/デルタ・DAISエージェント



約二年ぶりに防衛省へ訪れた牧田は、訪れた足のままに地下へと降りた。いつになっても慣れない放射線のボディチェックを通り抜け、地下直通のエレベーターへと足を踏み入れる。B10のボタンを押すと、重苦しい音が鳴り、牧田にマイナスGを感じさせながらエレベーターが下っていく。

エレベーターのドアが開くと、目の前には薄暗い空間が広がっていた。光源は一定間隔で配置されている赤色の非常灯しか無く、不気味な雰囲気が漂っていた。その中を牧田は進んでいく。

そして、一つのドアの前で突然歩を止めた。そこのドアからは、内部の光が漏れだしていて、薄暗い廊下に光の道筋を作り出していた。ドアノブの部分にある、指紋認証装置へと指を置き、ロックを解除してからドアを開けた。室内へ入ると、強烈な光が牧田の網膜を照りつけた。だが、すぐにそのホワイトアウトは回復し、辺りを見るとそれほど室内に強烈な光源は無いと確認する。多分、外の薄暗さに慣れていたせいで、LED灯の明るい光に目が対応出来なかったのだろう。

二年間訪れなかったからか、光源を始める様々な所が変更されているところに気付き、改めて時間の経過を感じた牧田は、廊下の不気味な雰囲気とは打って変わって普通の雰囲気となったオフィスのような部屋....実際にはDAISの任務の一つである諜報を司る作戦室....へ出た。各々のデスクにはエリートサラリーマン風の人間....実際はDAISの諜報員....が付き、PCのモニターへと噛りついていた。それを視界の端で捉えながら、牧田は再び指紋認証が必要なドアをくぐった。

その部屋も、先程と同じオフィス風の部屋であった。だが、そこに詰めていた人間は華奢な諜報員ではなく、屈強な男達であった。自衛隊の制服を一寸の隙も無く着こんだ彼らは、牧田が部屋に入室してきた途端に突き刺すような視線を牧田に浴びせたがそれは一瞬で、入室してきた人物が牧田だと感知するとそれは和らいだ。

「久しぶりだな、牧田」

「帰ってきたか」

DAISのエージェント達からその見た目に似合わない優しい言葉を受け、はにかみながら会釈で返した。それから牧田は、その部屋の奥にあるデスクに居る人物へと向き直った。

「本島三佐、おはようございます」  

深緑色の制服を着、デスクに掛けていた男は牧田の方に椅子を回転させ、俯いていた頭を上げた。

「おう、おはようさん。そして久しぶりだな」

男の名は本島。下の名前までは知らない。それは本島だけでなく、ここにいる者の名は全員、名字
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