オーフィス○○○抜けるってよ
[7/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ど…。」
「…。」
彼女の目に宿るは揺るがない決意。
そう、ウィスに自身の勇者になって欲しい旨を言葉を詰まらせながらも伝えようとした瞬間……
「そうじゃ、気付いておるか、ロスヴァイセ?儂達の会話は終始この場の全員に聞かれていたことに?」
「…え?」
ギギギと壊れたブリキの様に彼女は顏を動かし、周囲を見渡した。
言いやがった、このジジイ。
空気を読まずに。
「ははは、すまない。聞くつもりはなかったんだがね…。」
「オーディン様、流石にあんまりだわ。」
「ああ、主よ。彼女に救いを…。」
「ジジイ、お前には遠慮というものがないのか?」
「あらあら、これは流石に…。」
「やり過ぎね…。」
「あぅあぅ、酷すぎますぅぅ…。」
「ロスヴァイセさん、ファイトです…。」
何とも言えない空気が周囲を支配していた。
見ればグレイフィアは嘆息し、こめかみを押さえてしまっている。
「…。」
嘘…。
ロスヴァイセは言葉を失う。
否、理解したくなかった。
自身の醜態とも呼ぶべき会話の全てを皆に余すことなく聞かれていたことに。
これはあんまりだ。
一体全体自分が何をしたというのだ。
「…は、…はは…。ははは…。」
終わった……
必死に隠してきた自身の恋愛事情を暴露された。
余すことなく、その全てを。
もう駄目だぁ…お終いだぁ……
─次の瞬間、ロスヴァイセの絶叫が会議室に響き渡った─
▽△▽△▽△▽△
「あんまりですぅぅぅ…!私が一体何をしたというのですかぁぁぁ…!」
よーし、よしよし。
傷は深いぞ、しっかりしろ。
「うぅぅ…、ヒドイですぅぅぅ…。」
ポンポン、と頭を優しく撫で、ウィスは彼女を抱きしめる。
ロスヴァイセはウィスの背中に手を回し、周囲の視線から逃げていた。
否、逃げざるを得なかった。
今だ彼女の涙が止まることはない。
これはヒ ド イ。
ウィスは余りの惨状に言葉が出てこなかった。
ウィスさん、ドン引きである。
文字通り彼女は今、再起不能の状態だ。
今の彼女は心身共にズタボロの状態である。
自分が彼女を支えなければ。
ウィスは使命感にも似た一種の良心に駆られ、彼女を労わり、慰め、抱きしめる。
マリーとこうも似ているとはウィスさんも驚きである。
その後、ウィスとロスヴァイセの会話は無かったことにされ、会議は進行されている。
皆さん、意外と薄情ですね。
皮肉なことに彼女のオーディンとの遣り取りによってこの場の空気が緩和され、会議が
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ