オーフィス○○○抜けるってよ
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「実力良し、それに見たところルックスもウィスは兼ね備えておる。」
オーディンは更に彼女へと畳み掛ける。
チラ チラと此方をロスヴァイセは見てくる。
彼女の視線がこそばゆい。
「性格も本人と話してみたところ別に問題はない。善良なものじゃ。お主もウィスと言葉を交わしてそのことは理解しておるじゃろう?」
「…。」
なに人のことを公衆の面前で好き勝手に評価し、利用しようとしていやがるんだ。
〇すぞ、ジジイ。
「それに、この機会を逃せばお主、…一生恋人ができずに灰色の青春を過ごすことになるぞ。」
「そ…それは…。」
顏を青ざめさせ、後ずさるロスヴァイセ。
オーディンの顏は"計画通り"と言わんばかりの表情を浮かべている。
このジジイやはり一回締めたほうがいいのではないだろうか。
負けるな、ロスヴァイセさん。
論破されかけているぞ。
それにしても彼女は気付いているのだろうか。
この会話が三大勢力の首脳陣とリアス達を含む全員に聞かれていることに。
本人がそのことに気付いた時の衝撃を考えると同情を禁じ得ない。
果たして立ち直ることができるのだろうか、彼女は。
「それでもお主は後悔しないのかの?この千載一遇のチャンスを?ウィスという優良物件の存在を?」
「私…、私は…。」
主神の言葉に心の天秤が傾き始めるロスヴァイセ。
「この会議から北欧に帰った後もお主はこれまでと変わらず彼氏無しの生活。対する周囲は恋人兼勇者である男性達と仲良さげに幸せを享受するのを耐え忍ぶ日々。」
「…!」
もう一押し。
あともう一押しだ。
そう確信したオーディンは人知れず笑みを深める。
「それでもロスヴァイセは過去の自身の行動を悔やむことはないのかの?あの時、あの場所で、あともう一歩踏み出していれば未来は変わったのもかもしれぬというのに…。」
「私…、私は…!」
勝った!
オーディンは自身の勝利を確信する。
ロスヴァイセの心の天秤は既にウィスへと傾いた。
そう、全ては自身の掌の上だ。
「私は!…私は!」
思い通り 思い通り 思い通り!
オーディンはフィーバーする心の内を悟られぬように表情を一層引き締める。
「…!…!」
この瞬間、彼女、ロスヴァイセの心の内は決まった。
彼女はウィスへと向き直り、希望ある未来を手にするために、今此処で大きな一歩を踏み出した。
ロスヴァイセ、行きます!
「あの、ウィスさん!」
切羽詰まった様子でロスヴァイセはウィスへと詰め寄る。
彼女の余りにも必死な気迫にウィスは思わず後ずさってしまう。
「あの…、あの…ですね、ウィスさん。良ければですけ
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