オーフィス○○○抜けるってよ
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んな目で私を見ないで下さいぃぃぃぃ!うう、私だって私だって、好きで彼氏がいないわけじゃなあぁぁぁ───い!」
それは何というか、その……
自分は意図せずとも彼女を傷付けてしまったということか……
見れば彼女は公衆の面前で自身の隠していた秘密を暴露され、泣き崩れてしまっている。
すまない…、本当にすまない……
傷を抉ってしまって本当にすまない……
「そこで現れたのがお主というわけじゃ。儂も最初は驚かされたものじゃわい。世界に浸透する規模の絶大なまでの力が突然現れたのじゃからのう。それにお主…、まだまだ全力には程遠いのじゃろう?」
此方を測るようにオーディンはウィスを見据えている。
成程、どうやらこの神は此方の実力を断片的にだが理解しているようだ。
あわよくば自身の陣営に引き込もうと画策しているのか、否か。
その真偽は現状ではまだ分からない。
「それにお主…、全くもって読めんからの〜。」
お主の存在そのものがの、とオーディンはそう付け加える。
全く、食えない神様だ。
「…。」
「それでどうじゃ?ロスヴァイセを貰うというのは?」
オーディンはウィスへと畳み掛ける。
「絶賛彼氏募集中らしいわい。悪くない提案だと思うがの?」
いや、決してそういう問題ではないのだが。
「さあ、どうするのじゃ?ロスヴァイセを貰うのか、否か!」
「いや、あのですね…。」
「さあ さあ さあ さあ!どうするのじゃ!」
しつこい。
余りにもしつこい。
もう何なのこいつ。
ぐいぐいくるんだけど。
うぜぇ。
これではどこかの押し売り販売だ。
破壊してしまってもいいだろうか。
「ですからちょっと待ってください!私の意思はどうなるんですか!?」
ナイスフォローだ、ロスヴァイセさん。
いいぞ、もっと言ってやれ。
「何じゃ、ロスヴァイセ。文句でもあるのか?」
眉をひそめ、彼女を見やるオーディン。
「大有りですよ!なに人の人生を勝手に決めているんですか!?」
「じゃが、本当に良いのか?この提案を断っても?」
途端、真剣な顔付きでオーディンは彼女へと向き直る。
「お主も見たじゃろう?あのコカビエルを相手に臆すこなく立ち向かい、剰えいとも容易く撃破したウィスの実力を?」
「それは、そうですけど…。」
言葉に詰まるロスヴァイセ。
確かに、オーディンの言い分には一理ある。
ウィスの他者の追従を許さない圧倒的なまでの力。
十分に勇者の視覚を有していると言えるだろう。
あの映像越しでも素直にかっこいいとは思った。
だが、それでも、それとこれとでは話は別だ。
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