オーフィス○○○抜けるってよ
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「うむ うむ、そうか そうか!やはり儂の目に狂いはなかった!」
「オ…オーディン様…?」
絶賛興奮中であった。
彼は己の付き人であるロスヴァイセの困惑した声を無視し、熱心にウィスへと話し掛けている。
「その隙の無い身のこなしにその身に秘めた強大な力!そして噂に違わぬ技巧!正に現代に蘇った勇者と呼ぶに相応しい!」
「此度の会議に参加したのも今後の北欧と三大勢力との行く末を見据えることは勿論じゃが、お主と会うことが本来の目的じゃったのじゃよ!」
始まった、ウィスはうんざりとした様子で項垂れる。
いつの時代も神という存在は自分を前にすると決まってこう反応するのだ。
悠久の時を生きる自分と同じ様に神々は娯楽に飢えているのである。
「残念ですが、私は勇者と呼ばれるほど殊勝な存在ではありませんよ。」
自分が勇者などと呼ばれるのは恐れ多いというものだ。
「力に呑まれることなく、謙遜をも有しておるのか!ますますお主を此方側に迎え入れたいものじゃのう!」
どうやら自分は面倒な神に目を付けられたようである。
「それでどうじゃ。儂の付き人であるロスヴァイセの勇者となるというのは?」
勇者、つまり戦乙女としての彼女と契りを結ぶということ。
実に急な申し出である。
「オ…オーディン様…!?突然何を!?」
当然、いきなりの主神の申し出に彼女は狼狽えている。
オーディン様は何を仰っているのかと。
「戦乙女としての実力も儂から見ても文句の付けようはない。真面目でしっかり者じゃ。ただ、ちと堅物過ぎて抜けているのが難点じゃがの。」
「あのですね…。ですから私は勇者と呼ばれるような存在ではありません。」
そう、自分は天使である。
「それにロスヴァイセさんのような美人は出会って間もない私よりも相応しい方が北欧にいるでしょう。」
それほどまでに彼女は美しいのだ。
きっと彼女は北欧でも引く手あまたであることだろう。
「そうですよ!勝手に私抜きで話を進めないでください、オーディン様!」
ウィスの言葉に賛成するようにロスヴァイセも叫ぶ。
「実はの…。"事実は小説よりも奇なり"と言う様にロスヴァイセは全くモテないのじゃ…。」
「……、…は?」
突然のロスヴァイセの彼氏ゼロ宣言。
ウィスは思わず呆けた声を上げてしまう。
「実力は申し分ないんじゃが…。その生真面目さと勤勉さが影響して彼女はこれまで一度も彼氏ができたことがないのじゃ。つまり、彼氏いない歴=年齢というわけじゃ。」
途端、周囲の同情と驚愕を含んだ視線が彼女へと容赦なく突き刺さる。
彼女の精神はズタボロだ!
「そ
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