猫娘と職場体験編
NO.039 合同職場体験・三日目 保須市混乱
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職場体験は三日目ともなり、そろそろ五人とも出久に本格的にヴィランとの戦い方を学ばせた方がいいと思ったために、グラントリノがお昼を過ぎたあたりでとある相談を出久に持ち掛けていた。
「よし。それでは小娘。そろそろ職場体験を本格的にしようではないか!」
「え!? 今までも十分職場体験だったと思うんですが!?」
「いやいや。まだヴィランとの遭遇と言う経験をしていない。だからこれから町に出てヴィラン退治と行こうではないか」
「おー!」
それで声を上げる出久。
「まぁ今から出かけるには訳がある。のう、マンダレイ?」
「はい。今から緑谷さんとグラントリノのお二人だけで渋谷に向かってもらうのだけど、来てもらった時の移動時間は分かっていると思うけど渋谷につく頃にはもう夕方か夜になっているから、今日の夜と明日は渋谷でヴィランの捜索をして五日目にまたこちらに帰ってくる算段ね」
「なるほど……やっぱり移動手段がここからだとネックですからね」
「という訳じゃ。さっさと準備をせい!」
「わかりました!」
それで支度をした後に、
「その、出久お姉ちゃん……頑張って来いよ」
「うん、ありがとね洸汰くん」
ワイプシのみんなにそれで弄られている洸汰の光景を見ながらも別れて、出久とグラントリノは移動を開始した。
それから少し時間は経過して、そろそろ気がかりである保須市の前を新幹線が通るのを感じた出久は携帯を出して連絡を取ろうとする。
「まったく! 近頃の若者は……座りスマホなんてせん方がいいぞ?」
「す、すみません……」
だが、出久は携帯で飯田に向けて『今から保須市の前に通るよ。そっちは大丈夫?』という文章を送ったのだが、いつもなら3分以内に返信が来るのにまったく返信が返ってこない。
その事に一途の不安を覚えた出久。
そんな時だった。
『お客様、座席にお掴まりください! 緊急停止します!』
そんなアナウンスとともに、突如として新幹線の外側から何者かが外壁を壊して侵入してきた。
それによって混乱する乗客達。
見ればそこにはヒーローらしき人物と、いつか見た強敵に似たヴィラン……脳無の姿があった。
「小娘! ここに座っていろ!!」
すぐさまグラントリノが新幹線から脳無を引きはがすために突撃してそのまま保須市の中へと入っていってしまった。
「グラントリノーーー!!」
脳無の突撃してきた穴から外を見る出久は保須市の異変にすぐに気づく。
あちこちで火の手が上がっているのだ。
これはただ事ではない。
そう確信した出久は新幹線が完全に停止した後に、
「すみません! 僕、出ます!」
「君! 待ちなさい!!」
乗務員の言葉を置き去りにして出久も保須市の中へと入っていった。
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