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SAO -Across the another world-
三話 希望の手掛かり
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ゃない」
たとえ一パーセント以下の確率であろうと、人の道から踏み外れようと、目的を達成するための希望を捨てるのは自らのアイデンティティを否定する事になる。稀有かつ歪んだ人生経験を積んでしまった者所以の考えかもしれないが、「戦う為に生まれた」自分を肯定する考えである以上、否定は出来ない。
「...そうですね。ごめんなさい。悲観的になってしまって...」
栗原は自嘲した様な笑みを浮かべながら、食後出された蕎茶を飲んでいた。その笑みはSAO開始以前には見ることの無かった、栗原の弱気が表れた表情であった。
「最近疲れ気味だろ。リハビリの疲れがまだ残ってるんじゃないか?今度温泉でも行くか?」
「行きたいですね....」
結局、栗原の弱気な笑みは中央線の車内で眠ってしまうまで消えなかった。その笑みは家の前で栗原と別れてからも消えず、ずっと牧田の思考の端に引っ掛かるようにして残っていた。栗原の見せた表情は、一体何を意味するのか。現状に対する己の無力さか。それとも親友と呼べる人物への手掛かりが有りながらも、結局は心の中で嫌悪している仮想世界に行かなければならないというジレンマか。どちらにせよ、栗原が何らかの精神的負担が掛かっている事は分かる。そのケアもしなきゃな、と心に留めつつ、牧田は早速手を回す為、スマートフォンを開いた。
................
「.....こちら729-08[デルタ]。事案Sに関する情報を入手。不確実な情報だが信憑性は高い情報の模様........了解。明日そちらに顔を出す.......了解。オーバー」
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