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SAO -Across the another world-
二話 戦乙女の失踪
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い少女で、年齢を聞いてみるとまだ15歳とのことだった。

英国人らしからぬ座布団に座っていたマリーは同じく座布団を二人に勧め、そして過去の事について話し始めた。

マリーはイギリスにある孤児院で育ち、そこには2歳年上のユーリが居たとのことだった。2歳の時にユーリと一緒に引き取られ、そしてその翌年に日本へと移住したらしい。IT関連企業の海外担当部長だという義父は、昼こそ大人しいが、夜になるとその人格が一変したという。まだ子供のユーリとマリーに対して殴る蹴るは当たり前、数日間食糧を与えられなかった事もあるし、マンションから落とされそうになったこともあった。時には義父誰か知らない怪しい人達を2、3人部屋へと連れて来て、その人達に犯されそうになった事もある、とマリーは俯き、涙目になりながら語っていた。栗原は優しく寄り添うようにして、マリーを慰めだ。

そんな日常に耐えながらも、二人は強く育ち、義父が簡単には手が出せなくなっていた頃に、【SAO事件】は発生した。

中学校この友達から借り受けたというナーヴギアを被り、昏睡してしまったユーリを見たマリーは、大変驚いたという。何よりも、頼れるお姉さんが居なくなった事に対して。

昏睡状態に陥ったユーリは、都内の病院へと搬送された。その姿を見た義父は、ユーリとマリーの親権を放棄するという内容の文面を残して何処かへ蒸発してしまったらしい。

その後マリーは、生活保護プログラムを受けながら学校へと通い、高校進学を間近に控えた11月に、ゲームがクリアされたとの病院からの報告があった。が、病室を訪れてみると、そこには未だに眠り続ける義姉の姿があった。

「姉はもう帰ってこないんだって……そう思っています」

感情を押し殺しながら話すマリーの顔を、もうしっかりと見る事はできなかった。

もうユーリとは会えない、そんな事を思っているマリーを何とかして再会させてあげたい、と思いつつも何も出来ない毎日が続いたある日、それは動いた。それが今日であった。

 
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