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SAO -Across the another world-
二話 戦乙女の失踪
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ないが、純白のドレスを身に纏い、耳や首には金属製の飾りの様な物を付けていた。
そんな中でも、一番牧田の目を引いたのは、彼女の肩甲骨あたりから生えている二本の羽であった。薄い紫色をしたそれは、飾りなどではなく、明らかに彼女のドレスから露出した肩甲骨部分から直に生えていた。それを一目見ただけで明らかに現実世界の人間とは違うと判る。
そんな少女に、牧田は見覚えがあった。
「確かこれは....KoBだかの副団長を務めていた....名前なんだっけ?」
KoBとは、SAO内でその名を轟かせた最強の攻略ギルドである。メンバー全員が紅白のコスチュームを身に纏い、戦場を駆け回る姿は壮観であった。メンバー個々の実力も高く、幹部クラスは鬼の如き強さを誇っていた。
「全く....アスナさんですよ。攻略会議で散々お世話になったじゃないですか」
「閃光」アスナ。随分久しぶりに耳にした名前だが、その戦いぶりは昨日の出来事の様に思い出せる。細身のレイピアをまるで延長した手のように操り、そして渾名こ「閃光」に恥じぬ高速の刺突攻撃で次々と敵を屠っていく姿を、牧田は脳内に思い出させた。
「で、そのアスナさんの画像がどうしたんだ?新しいVRMMOのか?」
「ある人に呼ばれたんですよ。この写真の事で。これがもしかしたらユーリさんを救う手立てになるかもしれません。まぁ、詳細は行けば分かります」
「なんだよそれ.....」
訳も解らないまま、栗原と並んで歩く事20分。着いたのは、牧田達が住む地区から最も近い駅だった。
「俺、自分のパスしか持ってないけど…」
「私も持っていますよ?」
余計な心配だったようだ。栗原はスマートフォンの手帳型カバーから緑色に光る電子カードを取り出し、こちらに向けた。
改札を通り、昼下がりで乗客もまばらな電車に乗った。途中で中央本線に乗り換え、都心の方へと向かう。行き先はどうやら上野の方らしい。
あまり電車には乗らない(移動は基本的に自転車である)為、子供の様に物珍しそうに窓から辺りを見回す牧田を、栗原が小突いた。
「何やっているんですか。恥ずかしいですよ、こんな年にもなって」
「恥ずかしいも何もあるか。電車なんて全く乗らない人生だったから珍しいなぁ、って見回してただけだよ」
「でも、子供の頃は凄く活発だった覚えがありますよ?都市部に行ったりしなかったんですか?」
「子供の頃は全く東大和から出てないし、中学になってからは地区からもあまり出なかったしさ。それに、昔と今とじゃ人は変わるさ」
人が変わると言えば、現に栗原がそうなのである。あれだけ仲良く遊んだ幼馴染は、今では自分含む他人と敬語でしか会話できていない。SAOの中でも砕けた口調で話している彼女は一度たりとも
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