第44話 アガットの危機
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トさん、無茶はしないでくださいよ?」
「分かってるよ、んじゃギルドに向かうか」
わたしたちはアガットとティータも連れてギルドに向かった。
ちょうどエステルたちが帰ってきていたので詳しい話を聞くとレイストン要塞の情報部は不在だったそうで守備隊長のシード少佐という人がエステルたちの対応をしたらしく最後にゲートが途中で止まってしまったらしい。
「……なるほどな、前にツァイスの導力器が全て停止したことがあるって聞いたがそれと同じ現象がレイストン要塞で起きたのか。加えて写真に写っていた飛行艇はあの黒装束が乗っていた物に違いねえ。正体が分かってスッキリしたぜ、キッチリ落とし前を付けさせてもらう」
「落とし前っていうと?」
「決まってんだろう、要塞に侵入して博士を解放するんだ。そうすりゃあいつらに一泡吹かせてやれる」
「あ、なるほど。それが一番手っ取り早いってわけね」
「そう簡単にはいかないわ」
「えっ?」
アガットの話にエステルが納得したがそれにキリカが待ったをかけた。
「遊撃士協会の決まりとして各国の軍隊には不干渉の原則があるわ。協会規約第三項『国家権力に対する不干渉……遊撃士は、国家主権及びそれが認めた公約機関に対して捜査権、逮捕権を酷使できない』とあるわ。つまり軍がシラを切る限りこちらから手を出す権利は無いの」
「チッ、そいつがあったか……」
「そ、そんな……そんなのっておかしいわよ!目の前で起きている悪事を見過ごせっていうわけ!?」
エステルは納得がいかないと言うがキリカはクスッと笑うと再び話し出した。
「ただしこの原則には抜け穴があるわ。協会規約第ニ項『民間人に対する保護義務』……『遊撃士は民間人の生命・権利が不当に脅かされようとした場合、これを保護する義務と責任を持つ』とあるの。これが何を意味するか分かるかしら?」
「そうか、ラッセル博士は役人でも軍人でもない民間人です。つまり遊撃士が保護すべき対象という訳ですね」
キリカの問いにヨシュアが納得したように答える。確かにラッセルは民間人である以上助けに行っても問題はないはずだ。
「あとは……工房長さん、あなた次第ね。この件に関して王国軍と対立することになってもラッセル博士を救助するつもりはあるかしら?」
「……考えるまでもない。博士は中央工房の……いや、リベールにとっても欠かすことのできない人材だ、救出を依頼する!」
「これで大義名分は出来たわね。遊撃士アガット。それからエステルとヨシュア。レイストン要塞内に捕まっていると推測されるラッセル博士の救出を要請するわ、非公式ではあるけど遊撃士協会からの正式な要請よ」
「そうこなくっちゃ!」
その後レイストン要塞に侵入するために工房船『ライプ
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