第44話 アガットの危機
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…ティータ、アガットの身体を少し上げるから体をふいてあげて」
「わ、分かったよ!」
ティータと協力してアガットの身体をふいていく、それにしても凄い汗だ。
「……う、うう……」
「あ、アガットさん!気が付いたんですか?」
「水があるからこれを飲んで」
「ミ、ミーシャか……?」
わたしたちはアガットが目を覚ましたのかと思った、でもアガットはティータの顔を見るとわたしたちの知らない名前を呟いた。
「え……」
「よ、よかった……そこにいたのか…兄ちゃんがついてる……もう……怖くないから…な……」
アガットはそう言うとゆっくりと寝息を立て始めた。
「アガットさん!?」
「……大丈夫、さっきよりも呼吸が安定してる。今は眠ってるだけ」
「よ、良かった……」
アガットの容体が落ち着いたことを知ったティータはホッと息を吐いた。
「……ねえフィルちゃん。アガットさん、わたしを見てミーシャって呼んだよね」
「ん、確かにそう言ってたね」
「……誰なのかな?」
「気になるの?」
「ふえっ!?べ、別に変な意味じゃないよ!」
「クスッ、大丈夫。わたしは理解してるから」
「もう、フィルちゃん!」
わたしたちは次の交代までアガットの看病を続けた。
それから夜が明けて朝になり王都に向かうジンを見送るためにわたしたちは発着場に来ていた。
「わざわざ済まんな。見送りなんぞさせちまって」
「このくらい当然よ、色々お世話になっちゃったしね」
「ジンさんはこのまま定期船で王都に向かうんですか?」
「ああ、どうしても外せない用事があってな。そうでなければ俺も誘拐事件の調査に付き合わせてもらうんだが……すまんな」
ジンは済まなそうにティータやエステルたちに頭を下げた。
「と、とんでもないですよ。ジンさんには色々お世話になりましたしホントーに感謝しています!」
「はは、そう言ってくれると助かるぜ……そろそろ出発のようだな、アガットが目覚めたらよろしく行っておいてくれ」
「ジンさん、本当にありがとうね」
「どうかお気をつけて」
「ん、バイバイ」
わたしたちは飛び立っていく定期船に手を振ってジンを見送った。
「……行っちゃったね」
「うん、凄く頼りになる人だったね……」
「はい……」
ジンを見送った後わたしたちは黒装束たちについて何か情報が入ってないかギルドに向かう事にしたがティータは未だ目覚めないアガットの看病に行くと言って別れた。今はミリアムもいるだろうし一人でも大丈夫だろう。
「キリカさん、おはよ〜」
「おはようございます、キリカさん」
「
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