第44話 アガットの危機
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ちは教区長さんから貰った薬を持って急いでアガットさんの元に向かった。
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side:フィー
リィンたちが出かけている間、わたしとティータはアガットの看病をしていたがアガットは苦しそうに唸っていた。
「ぐっ……うぅ……」
「アガットさん……」
ティータは心配そうに見守るが無理もない、わたしもアガットではなく毒を喰らったのがリィンだったらと思うと怖くて仕方がない。
「ティータ、ただいま!」
「お姉ちゃん!」
そこにリィンたちが返ってきた。エステルの手には何かの液体が入った瓶が見えるがもしかして薬なのだろうか?
「教区長さんに薬を作ってもらったの」
「流石はビクセン教区長ね、毒を消す薬なの?」
「ううん、患者の免疫力を高めて自然治癒をうながすものだって言っていたわ」
エステルから薬を受け取ったミリアムは薬の効果をエステルたちから聞いていた。
「なるほど……免疫力を活性化させる薬か、試してみる価値はありそうね」
ミリアムは薬をスポイトに入れてアガットの口から薬を飲ませる、するとアガットは苦しそうに声を荒げだした。
「ぐっ……あぐっ……ぐっ……がああああ……!!」
「ア、アガットさん!?」
「わわっ!なんか苦しみだしたわよ!?」
「いや大丈夫だ、これでいい」
「えっ?」
苦しそうにするアガットを見てヨシュアは大丈夫だと言った。でもこんなに苦しそうなのにどうして大丈夫なんだろう?
「薬が効き始めたようだな。苦しかったり痛かったりするのは体の機能が復活した証拠だろう」
「ええ、その通りよ。これで神経毒による危険な昏睡状態からは脱したわ」
「そ、そうなんだ……」
なるほど、そういう事か。ジンとミリアムの説明を受けてわたしは納得してエステルは安堵の表情を浮かべた。
「で、でも……アガットさん、苦しそう……」
「ええ、何時間かは苦しむことになるわね。でもそれを過ぎれば完治するはずよ」
こうしてアガットは危険な状態から脱することが出来た、その後は全員で交代しながらアガットの看病をすることにした。でもティータはまだ幼いのでわたしと一緒に看病することになった。
「うーん、おかしいな……」
「ティータ、こっちに新しいタオルがあるよ」
「あ、それだよ。ありがとう、フィルちゃん」
ティータはわたしから受け取ったタオルを冷たい水が入った入れ物に入れて力いっぱい絞る、そして苦しそうに息を荒げるアガットの頭にのせる。
「はぁ……はぁ……う、うあああぁぁぁっ……」
「ア、アガットさん……」
「凄い汗だね…
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