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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第44話 アガットの危機
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いるなんて。


「薬の原料はなんですか?僕たちは遊撃士ですから自分たちで調達してこれます」
「おお、そうだったのか。薬の材料は『ゼムリア苔』というものでこの辺りではカルデア隧道の途中にある鍾乳洞に生えておる」
「なんだ、じゃあ直に持ってくるわね」
「だが鍾乳洞に出る魔獣はかなり強いらしく、以前遊撃士協会に材料の調達を依頼した際にはベテラン遊撃士が4人でチームを組んで挑んだほどだ」


 ベテランを4人も用意するほど鍾乳洞に生息している魔獣は強いのか、これは厄介だな。


「じゃああたしとヨシュアだけじゃ厳しいかも知れないわね……」
「なら俺も同行しよう」
「えっ、ジンさんが?」
「ああ、これも何かの縁だ。明日には王都に向かうからそれまでしか協力できんがいいか?」
「勿論よ、頼りになるわ!」
「でもこれでも3人か、あと一人は協力してくれる人が欲しいね」
「なら俺を連れて行ってください」


 俺はエステルさんたちに自分も同行したいと伝えた。


「えっ、でもリート君を巻き込むわけにはいかないわ」
「俺も責任を感じているんです、ちゃんとティータを見ておけばこんなことにはならなかったかもしれないって……お願いします!」
「……どうする、ヨシュア?」
「リート君の実力は知ってるし今は時間が惜しい、少しでも早くゼムリア苔を入手できる可能性を高めるためにここは彼にも協力してもらおう。ジンさんもいいですか?」
「俺は構わんよ、見たところかなりの腕前のようだ。しかし何処かで見たような気がするな……坊や、俺とどこかで会ったことないか?」
「うえっ!?……い、いやぁ、俺はジンさんとは会った覚えがないですね……」
「ふーむ、気のせいか……」


 ……怪しまれてしまったか、でもなんとか誤魔化せたようだし今は急いでカルデア隧道に向かおう。








 中央工房の地下に降りた俺たちはカルデア隧道を進んで行くと途中に『危険』と書かれた看板が地面に刺してある細い横道を見つけその先に進むと淡い光がぼんやりと辺りを包み込む幻想的な光景が広がっていた。でも奥からは強そうな魔獣の気配が漂っていた。


「ここがカルデア鍾乳洞……確かにカルデア隧道の魔獣と比べたらかなり強い奴らばかりね」
「死角などの襲撃に気を付けながらゼムリア苔を探していこう」
「ええ、皆、気を引き締めていくわよ!」


 エステルさんの掛け声に全員が頷いてカルデア鍾乳洞の奥に進んで行く。
 この鍾乳洞にはペングーと呼ばれる魔獣が多く生息しており見た目はふざけたような奴らだが中々に強くしかも知識が高いのか水面からアーツを撃ってきたり天井から奇襲してきたりと厄介な戦法を取ってくる。
 俺たちはそれらを撃退しながら奥を目指
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