停止教室のヴァンパイア
三大勢力会議
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スにこの手の質問はタブーのようだ。
「あらあら、それではウィスはどの神話体系の天使なのでしょうか?」
"A secret makes a man man."、それはまだまだ秘密である。
「それは秘密ですよ、朱乃。」
ウィスは可愛くむくれる彼女を宥める。
もっともウィスの真の正体を掴むヒントは既にリアス達はその身を持って体感しているのだが。
「…とまあ、私は天使であったということです、皆さん。」
こうしてウィスはあっけなく自身の正体を暴露した。
「ゼノヴィアさんも、これを機に外の世界を見て回るのはいかがですか?せっかく自身を縛る鎖が無くなったのですからね。」
無論、自身もできる限り手助けはするつもりだ。
「ああ…、そうだな。そうするよ。」
どこか憑き物が取れたかのようにゼノヴィアは笑う。
その後、ゼノヴィアはアーシアに真摯に謝り両者の仲は無事修復された。
早速彼女は自身の新たな人生を歩んでいるようだ。
─そして遂に、三大勢力による会議が催される─
「…。」
そして、ウィスは三大勢力の会議で出会う。
否、出会ってしまった。
リアス以上にとある一人の女性を強く連想させる1人の女性に。
それが一種のトリガーであった。
まるで決壊したダムの様にウィスの脳裏に数多の記憶が蘇り、走馬灯の様に駆け巡る。
過去の記憶を強く刺激されたウィスはらしくもなくその場に棒立ちになってしまった。
視線はその女性から離れず、ウィスは人知れず瞳から静かに涙を流す。
ウィスの中に眠る過去の記憶を強く刺激されてしまったがゆえに。
最近感じる不可思議な力の存在も影響しているのも違いないが。
その容姿、髪の色。
その在り方、魂。
その身に宿す優し気な性格と気高いまでの高潔な精神。
だがどこか抜けており、残念な気質を持ち合わせている女性。
その全てがとある女性と似通っていた。
否、無論その全てが似通っているわけではない。
相違点も存在しているだろう。
だが、それでも会議室に入室して以降ウィスはその銀髪の女性から一度たりとて視線を逸らすことができなかった。
彼女の隣には初老の顎髭を蓄えた神と思しき老人が座しているが興味など微塵もない。
壁に背中を預け、此方を好戦的な目で射抜くその身を包帯でグルグル巻きにしている男性も同様だ。
数十年。
そう、数十年だ。
もう数十年も彼・彼女達と出会っていない。
自分だって元はただの人間だ。
人としての名を忘れ、この身体を与えられることでこれまで悠久の時を生き続け
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