暁 〜小説投稿サイト〜
SAO -Across the another world-
ACT.1 The another "Fairy Dance"
一話 労働者の背信
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、パソコンが自らを起動したことを私に伝えてきた。
青い雰囲気のデスクトップ画面が表示され、画面の左側から中央にかけて沢山のアイコンも同時に表示された。その中に、通知を知らせる赤い印が付いているのを見て、そのアイコンをクリックした。開いたのはメールアプリであった。
毎日三件近く受信しているが、大体チェーンメールの様なものばかりである。それでも、ウィルス感染などはしたくないので、毎日受信するメールを確認していた。
今日の受信メールは二件。一件目は自分がプレイしているゲームの運営からのメンテナンス報告であった。これはゲームを嗜むほどしかプレイしていない自分にとってはあまり関係の無い事だ。メンテナンスで遊ぶ事が出来なかったら、他の時間にプレイすれば良いだけだ。
もう一件は差出人不明のメールであった。件名は「レクトフルダイブ技術研究部門 園原歩美様へ」と書かれていた。その件名に記された「園原歩美」という名前は私の本名であり、「レクト フルダイブ技術研究部門」は総合電子機器メーカー「レクト」の中で、私が勤務し、所属している部署の名前であった。
なんだろう、とメールを一度ウィルススキャニングに掛け、安全を確認してからメールを開いた。開くと、画面には一枚の画像と、一行の文面だけが表示された。
かなりフォーカスしたのかどうかは知らないが、大分ぼやけ、表示されるドットが荒い。特徴的な色合いやライティング等から、写っているのは現実世界ではなく、ポリゴンで構成された仮想世界であることが伺える。画像の内容はぼやけて良くは分からないが、鳥籠の様なものの中に栗色の髪の少女が失意の表情で白い椅子に座っている。
「......ん?」
何かこの画像にデジャブを感じた。何処かで見たことのあるこの情景。鳥籠の中の少女は知らなくとも、この前景は何か見覚えがある。
「ああ、アルヴヘイムか」
思い出した。この世界は私達が作り出した物だ。これはレクトフルダイブ技術研究部門、つまり今私が所属している研究室で開発され、現在はレクト傘下の子会社、レクトプログレスが運営しているMMORPG、「アルヴヘイム?オンライン」の世界だ。グラフィックやオブジェクトのテクスチャは自分がプログラムし、仮想世界に設置したものであった。
「でもなんでこんな物が?」
写真の下には小さなフォントで「Who is she?」と書かれていた。そんなこと、知っている訳が無いし、そもそもこちらが教えて欲しいくらいだ。
私はこの研究室にもある、メールアドレスから逆探することが出来る特殊な機器を使って相手を特定しようとしたのだが、強力なファイアウォールがブロックしてくるお陰でその働きは無駄となった。取り敢えず、差出人のメールアドレスにこの写真は何なのかという内容の文面
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