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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第43話 黒装束の襲撃
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かうとアガットさんがティータを庇って敵の攻撃を受けているのが目に映った。


「しまった……!」
「遅かった……」


 黒装束たちはその隙に飛行艇にラッセル博士を乗せて逃げていってしまった。


「エステルさん!ヨシュアさん!」
「リート君!フィル!」
「どうしてここに……」
「すいません、街でティータを探していたんですがアルバ教授が紅蓮の塔に向かっているのを見たと聞いて急いで来たんですが……」
「間に合わなかったみたいだね、ごめん……」


 どうやら間に合わなかったようだ、くそっ、俺たちがティータを見つけられなかったばっかりに敵には逃げられてしまうしラッセル博士は連れ去られてしまった。


「とりあえず今はツァイスに戻ろう、あの飛行船の事をギルドに報告しないと……」
「ティータ、怪我はない?」
「……なんで……どうしておじいちゃんが……ひどいよ……どうしてぇ……」
「おい、チビ」


 アーツで怪我を直したアガットさんはティータの頬にビンタをした。


「……あ」
「言ったはずだぜ、足手まといは付いてくんなって。お前が邪魔したお陰で爺さんを助けるタイミングを逃した。この責任……どう取るつもりだ?」
「あ、私……私……そんなつもりじゃ……」
「おまけに下手な脅しをかまして命を危険にさらしやがって……俺はな、お前みたいに力も無いくせに出しゃばるガキがこの世で一番ムカつくんだよ」
「ご……ごめ……な……さい……」


 ティータは自分がしてしまった事の重大さに気が付いて今にも心が崩れてしまいそうなほどの後悔に襲われているんだろう、その瞳からは大きな涙がこぼれ落ちていた。


「……おい、チビ。泣いたままでいいから聞け」
「うぐ……ひっぐ……?」
「お前、このままでいいのか?爺さんの事を助けないでこのまま諦めちまっていいのか?」
「うううううっ……」
「諦めたくないんだろう?なら腑抜けてないでシャキッとしろ。泣いてもいい、喚いてもいいからまずは自分の足で立ち上がれ。てめえの面倒も見れねえ奴が人助けなんかできる訳がねえだろ?」
「……あ」


 アガットさんは彼なりにティータを勇気づけたんだろう、ティータは次第に泣くのを止めて目をふいた。


「ティータ、その……」
「……大丈夫だよ、お姉ちゃん。私、もう一人で立てるから……」
「……へっ、やればできるじゃねえか」
「あ、あの……アガットさん」
「なんだ?文句なら受け付けねえぞ」
「えと……あ、ありがとうございます。危ない所を助けてくれて……それから励ましてくれてありがとう」「は、励ました訳じゃねえ!メソメソしてるガキに活を入れてやっただけだ!」
「ふふ……そーですね」


 アガットさんは必至で
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