第43話 黒装束の襲撃
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ゃないか。エルモから戻って来ていたのだね」
「一体何の騒ぎなの!?」
「どうやら建物内部で何かのガスが発生したらしい、地下から5階まで煙まみれだ」
中央工房から出ていた白い煙はガスだったのね。地下まで煙まみれになるなんて一体何があったのかしら。
「原因は火事ですか?」
「いや、消火装置が作動してないから火事ではないようだ。だが何故煙が出ているのか全く分からなくてね」
火事じゃないとするとどうして煙が発生したのかしら。
「あ、あの、工房長さん。おじいちゃんはどこですか?」
「えっ、その辺りにいないのか?ヘイゼル君、確認はしたんじゃなかったのかね?」
「それが職員の確認はすんでいますがラッセル博士の退去はまだ……」
「!!」
「なんだって!まだ中に残っているのかも知れないのか!?」
なんてことなの、ラッセル博士があの中にいるかもしれないですって!?
「工房長さん、ここはあたしたちが様子を見てくるわ」
「分かった。君たちに任せよう」
「わ、私も連れて行ってください!」
「えぇ!?」
あたしとヨシュアが中に入ろうとするとティータが一緒に連れて行ってほしいと頼んできた。
「駄目よ、危険だわ!」
「私なら中央工房に詳しいから……お姉ちゃんたちをちゃんと案内するから!」
「ティータ……」
……無理もないわよね、自分の家族の安否がかかっているんだもの。よし!
「分かった。一緒に行きましょう」
「ただし、危なくなったら直に戻ってもらうからね」
「う、うん……」
「エステルさん、ヨシュアさん。気を付けてください」
「ティータもね」
「ええ、それじゃ行ってくるわ!」
あたしとヨシュアはティータを連れて煙が立ち上る中央工房に突入した。
「凄い煙ね。あれ、でもそこまで息苦しくないわ」
「これは……多分、撹乱用の煙幕だと思う。フロアのどこかに発煙筒が落ちているはずだ」
「発煙筒って……誰がそんなものを?」
「分からない、今はこの煙をどうにかしよう」
「分かったわ、煙を消しながらラッセル博士を探していきましょう」
あたしたちは各フロアに落ちていた発煙筒を解体しながら3階の工作室に向かった。
「おじいちゃん、大変だよ!あ……」
工作室にはラッセル博士の姿はなく機械だけが動いていた。取りあえず危ないので機械は止めておいた。
「ど、どうして機械だけが動いていたのかしら?」
「博士もだけど黒のオーブメントも見当たらない。これはひょっとしたら……」
「フン、ここにいやがったか」
背後から誰かに声をかけられたので振り返ってみるとそこにいたのはなんとアガットだった。
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