ペルソナ3
2034話
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ただけです」
「……何故、私達にそのような真似をする? お前達は幾月と手を結んだのだろう?」
美鶴の言葉に、タカヤは笑みを浮かべたまま頷く。
どこか虚無を感じさせるその笑みは、以前見た時よりも強い破滅願望を感じる。
これは、幾月と接触したせいなのか?
だが、破滅願望か。
もしタカヤの持つ破滅願望が、制御剤の副作用による逃れられない自分の死から来ているのであれば、イクシールを使う事でどうにか出来るか?
一瞬そう思ったものの、タカヤの性格はこれまでの数少ないやり取りを考えれば、恐らく制御剤の副作用によるものではないというのは、想像するのは難しくない。
いや、最初はもしかしたらそうだったのかもしれないが、今は違うのかもしれないが。
ともれ、そんな訳で現在の様子を見る限りでは、もしイクシールを使って回復させてもタカヤが止まるような事はないだろう。
ジンの方も、そんなタカヤに心酔している様子を見れば、こちらもまた同様だ。
「そうですね。私達は彼と手を組みました。ですがそれは、打算的なものでしかありません」
「……つまり、今のお前達にとって、幾月はその打算から外れた存在になった、と?」
「お分かりになって貰えたようで、何より。もっとも、彼の行動が興味深いというのは間違いありません」
「ちょっと待てよ!」
幾月と美鶴の会話に割り込んだのは、意外な事に順平。
いや、別に意外って訳でもないのか?
順平が向こうに囚われていた時に、タカヤやジンと話をする機会はあったらしいし。
そういう意味では、俺達の中でチドリ以外にタカヤを詳しく知っているのは順平という事になる。
「おや、お久しぶりですね。元気そうで何よりです」
そんな順平の言葉にも、落ち着いた様子で答える順平。
だが、そんなタカヤの態度が気にくわないのか、順平は苛立ちも露わに叫ぶ。
「影時間を作った原因の、最後のイレギュラーシャドウはたった今、俺達が倒したんだぞ! なら、もうお前達が何を考えていようと、それは無意味な筈だ!」
「そうですか? まぁ、そうなるかもしれませんね。そうなったらそうなったで、また面白い気もしますが。……さて、いつまでもこうして話していられる訳でもありませんので、早速本題を。幾月修司。彼が何かを企んでいますが、その為に埋伏の毒を使うようです」
「っ!?」
埋伏の毒。
その意味を理解し、驚愕の表情を浮かべたのは美鶴を含めた何人か。
順平や真田、天田といった面々は、埋伏の毒が何を意味しているのか分からず、不安そうな表情を浮かべている。
埋伏の毒。それはつまり、こっちに幾月と通じている者がいるという事だ。
だが……S.E.E.Sのメンバーでそんな風な奴がいるとは、思えない。
勿論自分
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