暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第108話 ランス絶体絶命?
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で しっかりとまずは一歩、進み始めたのだった。












〜 リーザス城 東の塔 4F 〜




 そして場面は元に戻る。
 ランス達は、魔人アイゼルの使途がいるであろうフロアへと向かっていた。

「だがしかし、武器だらけだな。なんに使ってるのだ?」

 ゴロゴロと散乱している剣や槍、ぷちハニーの破片など物騒な物が辺りにあるのに目がいった。

「東の塔は、主に武器庫です。それゆえにヘルマン軍も未だ放棄していないのでしょう」
「ふぅん……」

 ランスはあまり興味がないのか、それ以上は何も聞かなかった。
 隣でユーリは軽くため息を吐く。此処には ところどころに潜んでいたヘルマン軍の兵士が何人か倒れており、ちらりと視線を向けると呆れる様に言った。

「どちらかと言えば、武器が豊富なこの場所に、立て籠ってたと言う可能性も捨て難いな。……現状をもっと把握していれば、何をすべきか見えてくるだろうに……。おまけに洗脳される。こうも違うのか? トーマ。お前の部隊とは」
「……恥と言う他ない。魔人の力を 自分達の力と勘違いし、慢心していた故に、だろう。それ以上に返す言葉もない」

 トーマも頭こそは抱えていないが、内心抱えたい気分なのだろう。第3軍はトーマを頂点とした部隊。世界最強とも呼び声の高いヘルマン軍の主戦力。それがここまで情けなく見えてしまうのはある意味ではショックだろう。全兵に目を向けると言うのは不可能だと言う事は判ってはいても。

「トーマの下についていたヘルマン兵士達は皆が一騎当千の強者だった。……こいつは欲に溺れ、鍛錬を怠った結果なのだろう。軍の将として恥じる気持ちは判るが、俺個人としては トーマまで恥とは思えんがな」

 飛び出してきた魔物を一蹴し戻ってきた清十郎が剣を仕舞いながらそう言う。

「自分も同じ気持ちです。……軍を纏める難しさ。各個人の戦力アップ、士気向上の難しさは判っているつもりです。……あの場所でトーマ殿の軍隊と戦った時から、僕は貴方を尊敬しています。勿論、サレ殿も、ガイアス殿も」
「……かたじけない」

 リックと清十郎の言葉に救われたのだろう。トーマは頭を下げた。

「直すべき所が見えてきた、とプラスに考えれば良いだけの事だ。つまり、まだまだ死んではいられない、と言う事だぞ。トーマ」
「……無論。まだ儂にはしなければならぬ事がある故にな」

 魔王と戦う場が死地である……と言う事は誰もが判るかもしれない。あれ程の圧力を受けたのだから。
 それでも、死ぬつもりは無かった。

 そう――死ぬとすれば、目の前の男ユーリ・ローランドが本当の意味で諦めた時ダ。口には出さずとも、命を盾に玉砕をするとした時。真っ先にこの命を散らすと考
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