第3章 リーザス陥落
第108話 ランス絶体絶命?
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、ハンティは改めてパットンを見て、安心していた。
ハンティの使用する魔法 瞬間移動は 欠点があり、異次元へと入り込み、そして出た時、肉体が負荷に耐えかねて老いるのだ。時間さえ捻じ曲げる異次元に生身が入り込むだけでも相当な負荷であり、その全容はハンティも把握はしていない。人体実験でもしない限り 立証が出来ない為である。
寿命の無いハンティはともかくとして、パットンはこれでも人間。危険な賭けとも言えるが、今一番危険な賭けを、危険な勝負をしているのは ユーリとトーマ、解放軍の者達だ。
彼らに比べたら、この程度は我慢してもらおう、とハンティは力を入れる。
「(パリエナ。ちょっと厳しめにいくよ。こういう事態に陥っちゃったのも、監督不行き届き、ってヤツだからね。保護者失格だ……)」
「………ぬ、ん。もう、だいじょうぶ、だ」
「おっ?」
ハンティは目を見開く。
パットンは手を開き、そして握りを数度繰り返す。足もしっかりと地を踏みしめており、おぼつかない様子はない。歩くのはまるで問題ない。
「歩ける」
「……よしっ」
ハンティの肩を借りていたパットンは自分の足だけで立ち上がる。
一瞬、くらり とその巨体が揺れるが、どうにか持ち直した。
「なら急ぐよ。ヘルマンに、って言いたいトコだけど、今は本当に安全って言い難いから、ちょっと寄り道するよ。……さっさと行って、そこで本格的な治療をする」
「わか、った。………」
返事をしたパットンは後ろを振り返った。
後ろには、いつも見ていてくれた人が……、自身が師事していた偉大な男がいる気がした。見守り、背を押してくれている気がした。
そして、血を呼び起こせと、叱咤もしてくれている気が。
大体の心情を悟ったハンティは。
「トーマからの最後の修行ってヤツだろ! こんくらい笑って乗り越えてみろ。んでもって最後の、ってヤツを否定してやれ。あいつは絶対大丈夫だから。……絶対、生きてるから」
ぐっ、とハンティは力強く握りしめる。
あそこで相対したノスと言う巨大な力を目の当たりにして、普通であれば生存率は限りなく低いと見積もるのが当然だ。
それ程までに、魔人との実力差は果てしないから。
でも、大丈夫だと強く思った。同時に自分の情けなさに苛立っていた。
「(年長者の私が逃げ帰るなんて……っ。情けないなんてもんじゃないよ。何のために、ここまで生きてきたってんのさ)」
冷静に戦えばやりようはあったかもしれない。まだまだ、手助けできたかもしれない。……もっともっと戦えたかもしれない。それらを考えると悔しさがにじみ出てくる。
「………」
パットンはそんなハンティを、その表情を見た。だが、直ぐに前を向く。
自分の足
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