MR編
百五十四話 成長
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てしまう。
そんな彼の心情を知ってか知らずか……否、恐らくは、全てを察した上で、サチはいたわるような視線と共に口を開く。
「……キリト、私ね?思うんだ。私達は……月夜の黒猫団は、キリトだけじゃなくて、みんなに問題があって、だからあんなことになっちゃったんじゃないかな、って」
「え……?」
「前に言った事、覚えてる?ケイタの事……」
言われて、キリトは記憶の奥から、かつてサチに告げられた事を思い出す。
「ケイタが、俺に頼るのをよくない、って言ってたって話か?」
「うん。あの頃、ね?ケイタ、キリトの居ないところでいつも言ってた。キリトの強さや知識頼みになって、気が緩んでる。自信が付くのは良い事だけど、キリトだってなんでもできる訳じゃない。いつもどうにかしてもらえると思って油断するのはよくない、って……ホントはね?ケイタも分かってたんだよ、あのままじゃダメだって。でも、そう言ってても、キリトの事頼りにするの、やめられ無かった」
「…………」
それは、初めて知る、自分以外の黒猫団の面々の側面だった。
「テツオは、戦いでキリトが前に出てくれるようになってから、ちょっと前衛なのに、防具に使うお金が少なくなったし、ダッカ―は何時も勢いで動く所があって、考え無しに動くと危ないから、ってケイタにも何度も注意されてたのに、あんまり気にしてなくて、ササマルはダッカーと仲良しだったけど、何時も笑ってみてるばっかりで、ちゃんとそんなダッカーを止めようとしてない所があった……私も、怖がってばっかりで、ちゃんと戦えなくて、みんなに頼りきりだったから、何も言えないよね」
「けど……もし俺がみんなに自分の事を伝えられてたら……」
「そうかもしれないけど……でも、其れは、みんなも同じだと思う」
「…………」
もしもケイタがキリトに頼り切る危険性をもっとはっきりと言っていたら、もう少し慎重になれたかもしれない。テツオが防具に十分なコルをつぎ込んでいたら、アラームを破壊する時間が稼げたかもしれない。ダッカーやササマルが自分達のしていることの危険性をもっとはっきり認識していたら、そもそもアラームトラップに引っかかるようなことは無かったかもしれないし、サチが臆病なばかりでなく、しっかりと自分で主張し、キリトに賛同する意見を出せていたなら……その可能性はあるいは低いのかもしれない。けれど少なくとも、0ではない。
「こんな事言っても、キリトは納得できないかもしれないけど……でも、ね?私達は全員……皆で、月夜の黒猫団で、みんなでギルドとしてやっていかなきゃいけなかった……キリトだって仲間の一人で、キリトの問題にも、他のみんなの問題にも、みんなで向き合うべきだったんだと思う」
あの世界で、間違いなく、その瞬間を生きていたあのアインクラッドと言う世界の中で、ギルド
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