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リング
137部分:ヴァルハラの玉座その十八
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国軍の陣は戦闘態勢ではなかった。ジークフリートはそれを見て攻撃命令とは違った命令を下したのであった。
「降伏を勧告せよ」
 彼は言った。
「降伏ですか」
「そうだ。最早勝敗は決した」
 既に完全に包囲されている。その戦力も第五艦隊の追撃によりかなり減っていた。勝敗は誰の目にも明らかであったからだ。そうした意味でジークフリートの判断は正しかった。
「既に帝国軍にも心理的圧迫を与えることにも成功した。ならばここは戦わないにこしたことはない」
「では降伏勧告ですね」
「うむ」
 そして頷く。
「それでいいな」
「わかりました。では」
 部下達はそれに応え帝国軍に向けてジークフリートの名で降伏勧告の通信を送る。暫くしてノートゥングのモニターに一人の陰気な顔の男が現われた。

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