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天体の観測者 - 凍結 -
束ねるは星の息吹 輝ける命の奔流 其は……
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 ウィスはそんなコカビエルに見向きさえせず、フリードが握る聖剣を掴み上げる。
 
 そしてウィスは世界に知らしめた。
 この世界の常識を覆す言葉を、光景を、絶対的な力の奔流を。

「最後です。教えましょう。





……真の聖剣の姿をね。」

 途端、先の大戦でその力を大きく失った聖剣が眩いまでの輝きを解き放った。

 過去の大戦で砕け散り、失われたはずの霊核がウィスから供給される莫大なまでのエネルギーにより一時的にその霊器を取り戻していく。

 今此処で、7つに別たれた聖剣は伝説に誉れし最強の聖剣へと昇華した。
 その神々しいまでの光は周囲を幻想的に照らし出し、リアスとソーナの眷属を含む全員を照らし出す。

 ウィスから供給されるエネルギーに際限は存在せず、今なお聖剣の輝きは広がり、その存在感を圧倒的なものにしていく。

 ウィスが手に持つ聖剣は既にこの世界の聖剣の規格を優に越え、全く異なる何かになりつつあった。

「光が…。」

 金色の光の粒子が周囲から顕現し、ウィスが天へと掲げる聖剣の刀身へと集束されていく。

「綺麗…。」
「これが…。」
「本当の聖剣…。」

 誰もが圧倒される。
 これが伝説に語られし最強の聖剣。





 輝ける、かの剣こそは、過去、現在、未来を通じ戦場に散っていく全ての強者達の今際の際にいだく悲しくも尊き夢

 その意志を誇りと掲げ、その信義を貫けと正し、今、常勝の王は高らかに手に取る奇跡の真名を謳う

 其は……




「エクス─」

──束ねるは星の息吹、輝ける命の奔流

 人々の希望、願望、憧憬、理想、大願という数多の概念が星の内部で結晶・精製された神造兵装にして最強の幻想(ラスト・ファンタズム)

 星を滅ぼしうる悪を打ち倒すべく絶対的な輝きを有する最強の聖剣

 ウィスは深く閉じていた紅き瞳を見開き、両手で宙に構えていた聖剣を大きく振りぬいた。

「─カリバー。」

 そして遂に、ウィスから供給される膨大なまでのエネルギーを光に変換・集束・加速させることで運動量が増大し、光の断層による“究極の斬撃”が放たれる。

 放たれた一撃は黄金の奔流となり一直線に宙に浮遊するコカビエルへと迫った。

 射線上に位置するコカビエルは既に満身創痍の身体であり、呆然と自身に迫る黄金の光を眺めることしかできない。
 否、回避する意志も存在していなかった。

「─。」

 やがてエクスカリバーより放たれた最強にして伝説の最強の幻想(ラスト・ファンタズム)の光がコカビエルに直撃する。

 背より生える漆黒の翼は無残にも千切れ、消滅し、滅され、光の奔流へと呑み込まれていく。
 エク
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