悲しき姉妹の最後の結末
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ちの驚愕する。髪の色こそ違えど顔はレオンに瓜二つ。それと同時に、その高い魔力は恐怖を増幅させた。
「ソフィア、カグラ、ラキか・・・2分で行けるな」
立ち上がりお尻の砂を叩く。来ると確信した三人は戦う構えに入るが、その前に割って入る一人の女性。
「待ってティオス!!話を聞いて!!」
三人を守るように立ち塞がるリュシー。ティオスはそうなることをわかっていたかのように淡々と言葉を述べる。
「そうだな、お前は妹の無念を晴らすことが目的だった。でも、ソフィアが生きてたとなれば話は変わってくるだろう」
「よくわかってるわね」
話が通じそうな雰囲気だったこともありリュシーは気を抜いていた。彼女は強張った表情から柔らかなそれへと変化する。
「お願い、ソフィアたちは見逃して。一緒にこの戦争を終わらせよう!!」
アルバレス最強の魔導士ティオス。彼が力を貸してくれればこの無駄な争いを止めることも・・・それどころか両国がもっとも脅威と感じているアクノロギアを倒すことも容易にできると彼女はわかっていた。だからこそ彼に懇願したのだ。
「・・・わかった、ソフィアには手を出さないよ」
「ティオス・・・」
彼の回答に安堵の息を漏らしたリュシー。その瞬間の彼女はあまりにも無防備過ぎた。
「代わりに君が死んでくれるなら」
「え?」
その瞬間彼女の体から鮮血が飛び散った。ティオスの手から放たれたレーザーが、彼女の体を貫いたのだ。
「お姉ちゃん!!」
倒れるリュシー。彼女に駆け寄るソフィア。傷口を抑えているリュシーは、泣きじゃくるソフィアの顔を見上げる。
「ソフィ・・・綺麗になったわね」
「お姉ちゃんの方がずっと綺麗だよ・・・」
妹の方に触れてその感触を確かめる。夢じゃないことに彼女は嬉しそうに微笑んだ。
「似合ってるわよ、その髪・・・」
記憶の中のソフィアは自分と同じ黒髪だった。今ではもう違くなってしまったが、それでも彼女の魅力は十分に伝わってくる。
「もっと早く・・・あなたと再会したかったわ」
そう言って力なく手を降ろすリュシー。ソフィアは彼女の名前を懸命に叫ぶが、彼女はピクリとも動かない。
「仲間じゃなかったのか?」
「・・・?」
低い声で問いかけるカグラ。ティオスはそちらを見ると不思議そうに首を傾げた。
「仲間を殺すなど、言語両断だ!!」
抜刀しティオスに斬りかかるカグラ。彼はそれを難なく片手で受け止め凍らせる。
「カグラ、君は裏切り者もそのままにしておくのかい?」
「リュシーは全員を救うために動こうとした。それは決して裏切りなんかではない!!」
剣を引き距離を取る。ティオスはそんな彼女を見て呆れたようにため息を付く。
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