悲しき姉妹の最後の結末
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れたことに目を疑った。
「グレイ!!ジュビアを傷つけるとは万死に値する!!」
「大丈夫!?ジュビア!!」
彼女の手を離しグレイに迫る青年と心配そうにジュビアに駆け寄る女性。その二人の姿を見て彼らは思わず安堵の息を漏らした。
「すまねぇな、リオン」
「助かったわ、メルディ」
兄弟子であるリオンと親友であるメルディに礼を言う二人。ピンチを切り抜けた二人の反撃が始まる。
妖精の尻尾からは大きく離れたその場所で再会した二人の少女。彼女たちは目の前にいる人物を見て涙が止まらなくなっていた。
「ソフィ?本当にソフィなの?」
「うん・・・」
涙を拭って笑顔を見せるソフィア。それを見たリュシーは喜びのあまり彼女に抱き着いた。
「ソフィア!!」
「お姉ちゃん!!」
感動の再会・・・熱い抱擁を交わすバルザック姉妹・・・それを見ていたカグラとラキは訳がわからず目を合わせた。
「ソフィア、誰だそいつは」
「アルバレスの人じゃないの?」
敵だと思っていた相手と抱き合っている仲間を見てどうするべきなのか判断が付かない二人は当人に問いかけてみた。すると、それに答えたのはリュシーの方だった。
「初めまして。私はリュシー・バルザック。この子の姉です」
「え・・・リュシーって・・・」
ラキは彼女が聖十大魔道唯一の女性魔導士であるリュシーなどだと知ると大きく衝撃を受けていた。魔力の大きさはもちろんのことだが、見た目が自分よりも年下にしか見えない・・・噂を耳にした時の年齢から考えて若すぎるのは誰でも驚くべき点であろう。
「ソフィアの姉は死んだと聞いていた。これはどういうことなんだ?」
一方のカグラは彼女の言葉を信じていない様子。なぜならソフィアは姉の死体を見たと言っていたのに、ここに存命しているのは辻褄が合わない。
「私もソフィアが死んだものだと思ってました・・・でも、あれは違う人のものだったんですね」
ソフィアが母と父の死を見て街から飛び出した直後、リュシーも家へと帰ってきていた。彼女は運良くその日は街から出ていたこともあり、ゼレフの封印を解く鍵を探してきた悪魔の心臓の襲撃を逃れることができたのだ。
その際偶然彼女が見つけたのはソフィアと同じ変わり果てた母と父・・・そして粉々になった人の体。
それはその日二人の母とお茶をしに来たママ友のものだったのだが、あまりにも原型を留めておらず彼女たちは誰のものかわからず、自らの自宅にあったことから姉妹のものだと勘違いしてしまったのだ。
それが二人を長きに渡って引き剥がした真実。
「なるほど・・・だから私を姉と間違ったのか」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ