悲しき姉妹の最後の結末
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シリルside
「すぐに私を倒す?面白い冗談ね」
口元を押さえて笑いを堪えているディマリア。俺はそれに対し何も反応を示すことはしない。
「聞いてないのかしら?私の魔法を」
「知ってるよ。時を止める魔法でしょ」
「えぇ、そう」
奥歯を噛むと目の前にいたディマリアはいなくなっていた。彼女の姿を探そうとしたが、すぐに後ろからその声が聞こえてくる。
「絶対に負けることのない最強の魔法よ」
「!!」
すぐ真後ろを取られていたこともありすぐに距離を取る。すると、彼女の手にあるものが握られていたことに気が付いた。
「俺の服!!」
ヒラヒラと見せているのは俺が着ていた赤色のTシャツ。この日はバトルに向けてそれしか着ていなかったため、今の俺は上半身裸なわけで・・・
「私ね、恥ずかしがる女の子が大好きなの」
「ずいぶんな悪趣味ですね・・・」
思わず呆れてしまった俺に対しディマリアはイヤらしい笑みでこちらを観察している。だが、しばらくすると彼女は不思議そうな表情へと変化していた。
「あら?隠さないの?前」
予想とは異なる反応を見せる俺に対し訝しげな表情を見せる時の魔導士。なので俺は冷静に現実を教えてあげることにする。
「俺、男だからそんな必要ないですよ」
「え!?」
しばしの硬直。彼女はしばらく俺の顔を見ていたかと思ったら、顔を俯けながら歩み寄ってきてTシャツを手渡してきた。
「あ・・・どうも」
緊張感の欠片も感じられなかったやり取りに苦笑いしながらそれを受け取り着直す。その間ディマリアは悲しそうな表情でこちらを見ていた。
「そうか・・・二人仲良くひんむいてあげようと思ってたのに・・・」
「そんなに残念がるところじゃないと思いますけど?」
なんか久々にこんな扱いを受けた気がする。一応お互いの国の中でも指折りの戦力同士がぶつかっているはずなのに、そんな雰囲気が一切ないんだが・・・
「でも・・・まぁいいわ」
その瞬間、彼女の表情が一変した。それを見て攻撃に転じてくることは容易に想像できたが、こちらが動くよりも先に体に激痛が走る。
「どうせ全員殺すんだし」
さっきまでの楽しんでいた笑いとは一転し強者としての顔つきに変わるディマリア。勝利を確信している彼女は次はどうやって攻めてこようかと考えているようだ。
「確かにすごい魔法ですね。普通にやったら勝てないです。でも・・・」
血が出ている腹部を擦って傷が深くないことを確認する。彼女の 魔法は今まで見てきた中で間違いなくトップクラスの魔法だ。だけど・・・
「弱点、見〜つけたッ!!」
「「「「!!」」」」
親指と人差し指で丸を作り彼女を見据える。信じられないような発言をされたこ
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