ペルソナ3
2033話
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事が出来るかもしれないからな」
「分かった」
美鶴の言葉に満足し、改めてイレギュラーシャドウに視線を向ける。
あの場所から動く事が出来ないのか、それとも単純に自分の方が立場が上だと判断してこっちが近づいてくるのを待っているのか……もしくは、それ以外の何か別の理由か。
ともあれ、イレギュラーシャドウは俺達が見える位置にいるにも関わらず、影時間の中でただじっとこっちを見ているだけだ。
……そうだな。これだけの広さがあるのなら……
「こっちの方からも、タカヤや幾月達が知らない隠し球を1つ出させて貰うか」
「隠し球? 何だアルマー、その隠し球というのは」
真田が不思議そうにこっちを見て尋ねてくるのに、俺は自分の影を軽く蹴る事で示す。
影から姿を現したのは、俺の召喚獣となった刈り取る者。
もっとも、刈り取る者だけであれば、他の者達も何度も見ているので、最初こそその迫力に驚くも、それだけだ。
それに続いて、俺にとってもう1匹の召喚獣を召喚する。
『我と盟約を結びし者よ、契約に従いその姿を現せ!』
その呪文を唱えると同時に空間が裂け、グリフィンドラゴンのグリが姿を現す。
「ギャアアアアアアアアアアアッ!」
姿を現すと同時に、雄叫びを発するグリ。
その迫力は、離れた場所でこっちを待っていたイレギュラーシャドウですら、身じろぎした程だ。
今まではイレギュラーシャドウと戦う時は、街中だったり、地下だったり、タルタロスの中だったり、モノレールの中だったりと、とてもではないがグリを召喚するような空間的な余裕はなかった。
しかし、このムーンライトブリッジでは違う。
それこそ、周囲に橋はあるものの、グリが自由に空を飛ぶ事が可能な場所だ。
であれば、ここでグリを召喚するというのは寧ろ当然だろう。
ちなみに、タカヤや幾月がグリを警戒して余計なちょっかいを出してこないようにする……という意味もある。
グリは、明らかにシャドウとは別物の存在だ。
それはグリを見れば、誰でも理解出来る。
つまりこの状況でグリという見知らぬ存在を目にし、様子見をしてくれれば、こっちはイレギュラーシャドウとの戦いに専念出来る訳だ。
そしてイレギュラーシャドウとの戦いが終わり、影時間の一件が解決した後であれば、それこそタカヤ達の相手は幾らでもやれる。
そんな訳で、タイミングさえ間違わなければ……そして俺の予想通りに事態が進んでくれれば、運が良ければ今日だけで一気に面倒が片づき、明日にもホワイトスターと連絡が出来るようになる可能性があった。
そうなると、この世界のどこにゲートを設置するのかも、そろそろ決める必要があるか。
もしこのペルソナ世界が、それこそ何の変哲もない一般社会であれば、わざわざ
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