第五十二話 水の都その二
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「そちらもでござる」
「腹が減ってはだな」
「その通りでござる」
「お金は大事だよ、それで腹が減ってはか」
その両方の言葉を言う久志だった。
「何も出来ないってことだな」
「政治も戦争もでござる」
「まずはこの両方か」
「備えてこそでござる」
まさにと言う進太だった。
「出来るものでござる」
「勇気とか智略とかな」
そうしたものはとだ、久志は腕を組んで考える顔になって言った。
「その次だな」
「はい、資金と食料があり」
「それからだな」
「そうなるでござる」
「だよな、本当にな」
「久志殿もわかっているでござるな」
「というかこれまでの冒険でな」
英雄と二人だけでしていたその時からのことだ、思えば実に長い冒険を経てきていると内心思いもした。
「そのことはな」
「わかったと」
「ああ、痛い位にな」
そこまでというのだ。
「わかったぜ」
「冒険の旅もまずは」
「金と食いものだよ」
この二つがあってというのだ。
「水もだけれどな」
「水は食料に入るでござるな」
「そうなるな、とにかくな」
久志は進太に応えてまた言った。
「金と食いものだよ」
「何をするにも」
「そこからだよ、だからな」
「このヴェネツィアは」
「俺達が島を統一する戦をはじめたら」
その時はというのだ。
「かなり重要な街の一つになるな」
「その通りでござるよ」
「金をどんどん生み出す金の卵を産む鶏にな」
童話のこの鶏にも例えるのだった。
「なるな、それでそうした鶏をな」
「何羽でも持つことです」
順一も言ってきた。
「政治、戦争を行うには」
「そうだよな」
「しかもその鶏達を育てることです」
「より沢山の、より大きな金の卵を産んでもらうか」
「そうしてその数も増やしていきます」
鶏の数、つまり栄えている商業都市を増やすべきだというのだ。
「それが政治です」
「だよな、あと穀倉地帯もだよな」
久志はこちらの話もした。
「育てるべきだよな」
「はい、どちらも長く多くです」
「栄えてもらってな」
「数も備えて」
そしてというのだ。
「国を栄えさせていくべきです」
「そうだよな、金と食いものがあれば」
「戦えます、そしてそこから余裕が出来て」
順一は久志にさらに話した。
「技術や文化もです」
「栄えていくな」
「折角この島では魔術や錬金術等あらゆる学問が否定されていないのですから」
「積極的に学問も進ませてもらってか」
余裕が出来たその中でだ、学問も余裕があってこそ栄えるものだ。
「そうしてか」
「技術も上げていき」
「文化も栄えさせて」
「よりです」
「その分強くなるべきか」
「技術面でも」
まさにというのだ。
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