暁 〜小説投稿サイト〜
天体の観測者 - 凍結 -
月光校舎のエクスカリバー
聖剣エクスカリバー(笑)
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口元を抑えながら、ウィスは今なお失笑している。

「…何か笑うとこがあったか?」

 額に青筋を浮かべながら緑メッシュの女性、ゼノヴィアはウィスへと鋭い視線を飛ばす。

「そうね、何がそこまで面白かったのか、教えてもらいましょうか?」

 栗色の女性、紫藤イリナもウィスを睨み付けていた。
 
 今の彼女達の内心を支配しているのは自分達の信仰心を馬鹿にされたという純粋な怒り。
 それも悪魔と関係を持つただの一般人の男にコケにされたことも彼女達の怒りを後押していた。

「実に愉しませて頂きましたよ。貴方方の見事な道化ぶりにね。」

 流石は独善的な正義を振りかざす教会の方ですね、ご立派ですよ、とウィスはなおも彼女達を煽る。

 実に彼女達は傀儡だ。

「貴様…、言わせておけば随分な物言いじゃないか…!」
「ええ、ゼノヴィアに全面同意だわ!」

 遂にゼノヴィア達は聖剣に手を伸ばし始めた。
 リアス達はただ呆然と傍観するしかない。

「良い機会です。この際はっきり言っておきましょう。」

 ウィスは突如手に握っていたスプーンをへし折る。
 握力に耐え切れずにスプーンは無残にも半ばで折れ、砕け散った。

 そして笑い顔から一転、真顔になり静かにその紅き双眸に怒りを内包した鋭い視線を飛ばす。

 思わず怯えてしまうアーシア。
 リアス達は普段らしからぬウィスの様子に息を飲む。










「私はね、神という存在が大…ッ嫌いなんですよ…!」

 珍しくウィスは感情をあらわにしていた。
 途端、部室の地面はひび割れ、周囲に暴風が吹き荒れる。

 リアスと朱乃は吹き飛ばされないようにウィスの腰に抱き着くしかない。
 一誠はアーシアが吹き飛ばされないように彼女を抱き締め、木場は地面へと剣を突き立てている。
 ゼノヴィアとイリナの2人は奮闘虚しく吹き飛ばされる。

 これまで狂信者や生贄、供物など腐るほど見てきた。
 全ては神のため、主のためと豪語する信仰者達。
 もううんざりだ。

「だいたい貴方方は何の権利があってアーシアを魔女呼ばわりするんですか?」

 底冷えする程冷たい視線でウィスはゼノヴィアとイリナの2人を睨み付ける。
 その様子に普段の朗らかな様子は皆無だ。

 何がウィスをそこまで奮い立たせたというのか。
 ゼノヴィアとイリナの2人の身体はウィスから放たれる圧力に弛緩し、動けない。
 否、恐怖の余り冷や汗を垂れ流していた。

「ならば貴様にとって…神とは何なんだ!?」

 絞り出すようにゼノヴィアはウィスへと諫言する。
 大した胆力だ。

「私にとって神とは何かですか…。」

 これはまた分かり切った質問をする
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