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蒼穹のカンヘル
二十五枚目
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貴様!我々にこのような事をして許されると…!」

上半身だけになったリーダー格がわめく。

「許されるさ。ここは俺が賜った領地で貴様等は侵入者なんだからな」

龍翼から敵の数だけの羽を抜く。

「じゃ、サヨナラだ。いや、いらっしゃいかな?
俺の糧となれ」

羽を放り投げると、一人に一枚ずつ飛んで行き…

ピシピシと音を発て、結晶に覆われていく。

「あ!がぁぁぁ!やめろ!やめろ!消えた…く…な……」

硝子が割れるような音と共に、砕けた。

「うん、結構良かったな」

奴等の持つイーヴィルピースの力も奪えた。

それもキングとビショップを除いた計13個。

なるほど、黒歌のポテンシャルではビショップ二つを消費するのか…

あ、忘れてた。

振り返り、クレーターの先に居る黒歌を見る。

「よう?無事?」

しかし、あちらは臨戦態勢だった。

「お前…誰にゃ…?お前も奴等と同じかにゃ?」

「いやいや。安心してくれていい。
俺はアンタの味方だ」

「確証はあるのかにゃ?」

「追手を倒したという所で納得しちゃくれないか?」

「無理にゃ。お前が侵入者を排除しただけの可能性を捨てきれにゃい」

ふーむ…どうすべきか…

「仮にだ。仮に俺がアンタの首を狙っていたならば、既に殺している。
それをしていないのだから信用して欲しい物だ」

「……………今は、それで納得するにゃ」

「OK、ならアンタの妹共々こちらでなんとかしよう。
なに、セラフォルーを脅してでも首を縦に振らせてやるさ」

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