ペルソナ3
2032話
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「で? 悩んでるのは、やっぱりペルソナの進化の事か?」
秋という季節であっても、今日は日差しがそれなりに強く、風もそれ程強くない事もあって、そこまで寒いという訳ではない。
勿論夏とかとは比べものにならない程の涼しさ……いや、寒さではあるが、それでも雪が降る程ではないし、持っている焼き芋の熱もあって、こうして話している分には、今の状況はそこまで問題ない。
「……うむ。そうなのだが、分かるのか?」
石焼き芋を一口食べ、その甘さにだろう、小さく笑みを浮かべつつ美鶴は俺にそう尋ねてくる。
「まぁ、何だかんだと俺も美鶴との付き合いはそれなりに長いしな。……半年くらいだけど」
「ふっ、半年は半年でも、正直なところ私が今まで生きてきた中で、ここまで濃密な半年はなかったがな」
「そこは、せめて充実したって言ってくれないか? ……うん?」
石焼き芋を食べながら美鶴と話をしていると、不意に走ってこの場から逃げ出していく人物の姿が見えた。
着ている制服は月光館学園のもので、何か後ろ暗いところでもあるのか? という風に思わないでもなかったが、取りあえず何か緊急な事情という訳でもないし、今は美鶴との話を優先させる方が先だった。
「どうした?」
「いや、何でもない。それで……濃密よりは充実したって表現の方が、人聞きが良くないか?」
「そうか? 濃密という表現もそう捨てたものではないと思うがな」
濃密……うーん、そこまで良い印象があるか?
俺の場合、悪い印象もないが良い印象もない……といった感じなんだが。
「とにかくだ。濃密でも充実してるでもいいけど、それなりに深い付き合いをしているんだから、美鶴の事は全て分かる……とまでは言わないが、大体何となくは理解出来る」
普通に考えれば、美鶴の悩みに付き合うのは、それこそ何年も一緒に行動をしている真田の方が相応しいと思うんだけどな。
ただ、ゆかり曰く俺の方がいい、という事らしい。
そんな訳で、現在俺はこうして美鶴と一緒に石焼き芋を食べてる訳だ。
「そうか? ……考えてみれば、アクセルには色々と恥ずかしいところも見られてるしな。そう考えれば、相談する相手としては相応しいのかもしれないな」
「恥ずかしいところか。個人的にはハイレグアーマーを着ているところとか……いや、冗談だよ」
ハイレグアーマーという単語を聞いた途端、美鶴の視線が冷たくなる。
それこそ、秋の中でも暖かいだろう今の公園の空気よりも冷たく、真冬の朝方の如き冷たい視線。
「お前がそういうのに興味があるのは色々と耳に入っているが……それを、私に着ろと?」
「ああ。ハイレグアーマーを着て戦えるようになれば、人間的に成長するんじゃないか?」
美鶴は、高校生離れした……そ
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